NY金(中心限月、日足)
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先週のNY金(中心限月)は、前週末比12.0ドル安の2017.3ドルで終了となり、続落。
「ブラックアウト」期間となり、FRB高官は発言を自粛しているものの、堅調な米経済指標の発表が続き、FRBによる早期利下げ観測がやや後退しているため、上値の重い展開が継続。1月米総合PMI(購買担当者景況指数)速報値は52.3と、昨年6月(53.2)以来7ヶ月ぶり高水準を記録。2023年10-12月期米実質GDP(国内総生産)速報値は、季節調整済み年率換算で前期比3.3%増と、前期(4.9%増)から伸びが鈍化したものの、市場予想(2.0%増)を大幅に上回り、6四半期連続でプラス成長となるなど、景気の底堅さを示す結果となったため、1月25日に2004.0ドルまで下げる場面も見られております。
米長期金利が4%台を維持する中、金利を生まない資産である金の投資妙味を弱めている様です。一方で、ここに来て中東情勢が一段と悪化する中、安値は「安全資産」として買い拾われております。シリアとヨルダンの国境付近で1月28日に、駐留米軍が無人機による攻撃を受け、米兵3人が死亡、25人が負傷した模様。パレスチナ自治区ガザでイスラエルとイスラム組織ハマスの交戦が始まって以降、周辺地域で米兵の死者が出たのは初。
今週はFOMC(米連邦公開市場委員会)を控えて、週前半は様子見ムードが強まりそうです。市場では4会合連続で政策金利が据え置かれるとの見方が大勢。そのため、声明公表後の記者会見でパウエルFRB議長が利下げ時期についてどこまで言及するか注目されます。なお、CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(1月26日時点)によると、3月のFOMCでFRBが利下げを開始するとの見方は46.2%となっております(先週末は42.3%)。
ドルが高止まっていることに加えて、テクニカル的にも50日平均線のレジスタンスが強まっており、引き続き2000-2050ドルのレンジで推移しそうです。ただ、パウエルFRB議長の発言が市場の想定以上にタカ派な内容になる様ですと、2000ドルを割り込み、、短期的に100日・200日平均線辺りまで下げることも想定されます。ただ、2000ドル割れの場面では高値で買い控えていた実需の買いが下支えになりそうです。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は1月26日時点で前週末比4.90トン減少の856.05トンと、4週連続で減少。
世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比1.12トン増加の395.17トンと、5週ぶりに増加に転じております。
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