NY金(中心限月、日足)
↓クリックすると拡大します↓
・WGCの需給レポートはこちら
・金の地上在庫はこちら
・公的機関の金準備はこちら
・中国の金準備はこちら
・中国の金輸入量はこちら
・スイスの金輸出量はこちら
先週のNY金(中心限月)は、前週末比24.0ドル安の2161.5ドルで終了。4週ぶりに反落となっております。2月29日から3月8日まで8営業日続伸となるなど、連日で最高値を更新。2月米雇用統計の結果を受けて、FRBによる早期利下げ期待が再度拡がる中、3月8日に2203.0ドルを付ける場面も見られております。ただ、テクニカル的に相対力指数(RSI)が80%を上回るなど、買われ過ぎ感が強まる中、その後は調整地合いが続いております。
2月米消費者物価指数(CPI)は、前年同月比3.2%上昇。伸び率は前月(3.1%上昇)からやや加速(市場予想は3.1%上昇)。前月比(季節調整済)も0.4%上昇と、前月(0.3%上昇)から加速するなど、インフレの粘着性が改めて示されたため、FRBによる早期利下げ期待がやや後退しております。
今週は3月19、20日の両日にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されます。今会合ではFOMCメンバーの金利見通し(ドットチャート)が公表されますが、昨年12月時点の見通しである年3回の利下げで据え置かれるか注目されます。
CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(3月14日時点)によると、市場は依然として年3回の利下げを想定しておりますが、ブラックアウト直前の講演でも、FRB高官からはタカ派な発言が目立っており、年2回に下方修正される様ですと、急落する可能性がありそうです。節目の2150ドルを維持出来ない様ですと、2月14日の安値1996.4ドルから3月8日の高値2203.0ドルの上げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の半値押し水準2099.7ドル辺りまで下げることも想定されます。
ただ、冴えない米経済指標が続き、ここに来て米国の景気減速懸念が拡がり始めております。また、イスラム圏がラマダン(断食月)入りする中、パレスチナ自治区ガザではイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が継続。ウクライナ情勢もウクライナがドローン(無人機)によるロシア石油施設への攻撃を繰り返すなど、「地政学リスク」への警戒は根強く、安値は「安全資産」として買い拾われそうです。
なお、中国を中心としたアジア圏や中央銀行の需要が旺盛で、ここまで価格の下支えになっていましたが、米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、大口投機家のNY金のネット・ロングは3月12日時点で1万0309枚増加の20万1602枚と、4週連続で増加。また、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高も3月15日に前営業日比14.98トン急増するなど、ここに来て米欧の投資家の投機資金も金市場へ流入し始めている模様。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
↓クリックすると拡大します↓
最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は3月15日時点で前週末比16.70トン増加の831.84トンと、11週ぶりに増加に転じております。
世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.38トン減少の387.74トンと、7週連続で減少しております。
※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。