NY金(中心限月、日足)
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先週のNY金(中心限月)は、前週末比57.4ドル高の2217.4ドルで終了。3週ぶりに反落となっております。
「中銀ウィーク」を通過したことで次の材料待ちとなる中、四半期末を控えた買い方の利喰いに押される場面も見られたものの、改めてFRBによる早期利下げ観測が強まる中、「金利の付かない資産」である金に、見直し買いが入り始めている様です。
中東やウクライナを巡る「地政学リスク」に加えて、ここに来て新興国の債務問題も懸念材料として意識され始める中、「安全資産」として金を選好する動きは根強く、3月28日に3月21日の高値2225.3ドルを上抜いて、一時2234.1ドルまで買い進められ、最高値を更新。終値で初めて2200ドルを突破。週明けの時間外取引も大幅高となっております。
パウエルFRB議長は週末のイベントで、景気や雇用が堅調に推移しており、「利下げを急ぐ必要はない」と明言。インフレが継続的に鈍化することに一段の確信が持てるまで、利下げ下げ開始を「待つことができる」と述べました。
同じく週末に発表された2月米個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比2.5%上昇。市場予想と一致したものの、伸び率は前月(2.4%上昇)を上回り、5ヶ月ぶりに加速。価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は前年同月比2.8%上昇と、前月(2.9%上昇)から伸びがやや鈍化しましたが、パウエルFRB議長は「ほぼ予想通り」の結果とした上で、基本シナリオでは、目標の2%に向かって「インフレは鈍化していく」との見通しを堅持。そのため、市場ではFRBが年半ばに利下げを開始する期待が維持され、金の投資妙味が増した模様。
とは言え、「グッド・フライデー(聖金曜日)」に伴う連休で市場参加者が少ない中での上昇であったことに加えて、最近の上昇が急ピッチであることから、テクニカル的な買われ過ぎ感も強まっている模様。
そのため、今週は高値調整の動きが強まる可能性もありそうですが、中国をはじめアジア圏を中心とした実需の買いや、新興国を中心とした中央銀行の継続的な金保有拡大の動きに加えて、ここに来て、世界最大の金ETFであるSPDRゴールドの3月末の金保有残高が3ヶ月ぶりに増加に転じるなど、米欧投資家の金買いの動きも強まっており、引き続き安値は買い拾われそうです。
なお、パウエル議長はイベントで、労働市場が予想外に悪化すれば、速やかな利下げで対応すると述べており、週末に発表される3月米雇用統計への注目度が高まっております。市場では非農業部門雇用者数は前月比20.3万人増と、前月(27.5万人増)からの減少する見込み。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は3月29日時点で前週末比5.18トン減少の830.16トンと、3週ぶりに減少に転じております。
一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比変わらずの387.12トンと、9週ぶりに減少が止まっております。
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