中国のインフレ率

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中国国家統計局が発表した3月中国消費者物価指数(CPI)は、前年同月比0.1%上昇。伸びは前月(0.7%上昇)から大幅に鈍化。物価動向を左右する豚肉価格も値下がりしております。価格変動が激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は0.6%上昇。景気の冷え込みで需要低迷が続く中、物価下落が続くデフレの懸念は根強い模様。同時に発表された3月中国卸売物価指数(PPI)は同2.8%低下。18ヶ月連続でマイナスとなっております。

◆ゴールドマン、2024年中国成長率見通しを引き上げ

米金融大手ゴールドマン・サックスは4月10日に、2024年中国GDP(国内総生産)見通しを前年比5.0%増と予測。従来見通し(4.8%増)から引き上げました。1-3月期も従来の4.5%増から5.0%増に上方修正。

ゴールドマンは、1年前に見られたほどの勢いではないものの、製造業の強さに一致し、1-3月期に在庫が大幅増になったと指摘。ただ、その増加分を消化する必要があるほか、追加緩和の可能性が薄いことなどから、成長率は4-6月期に鈍化する公算が大きいとしております。

◆中国「清明節」連休の1人当たり旅行支出、コロナ前水準を上回る

先祖を供養する中国の伝統的な祭日「清明節」に伴う3連休(今年は4月4~6日)で、中国国内1人当たりの旅行支出額が435元と、新型コロナウイルス流行前となる5年前に記録した額を約1.1%上回った模様。

◆中国の格付け見通し、「ネガティブ」に引き下げ

格付け大手フィッチは4月9日に、中国のソブリン信用格付けの見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げました。経済の新成長モデルへの移行を巡り不透明感が増す中での公共財政リスクに言及。中国の長期発行体デフォルト格付け(IDR)の格付けは「A+」に据え置いております。

2024年の政府財政赤字の対GDP(国内総生産)比率は7.1%と、前年の5.8%から上昇し、コロナ禍を受けた厳しい制限が経済を大きく圧迫した2020年(8.6%)に次ぐ高さを記録すると予想しております。

フィッチは「見通しの変更は、中国の公共財政の先行きへのリスクが高まっていることを反映している。中国は、不動産に依存した成長モデルから、政府がより持続可能と考える成長モデルへの移行途上にあり、不透明さを増す経済見通しと格闘している」と指摘しました。なお、中国財政省はフィッチの決定を受け、遺憾の意を表明しております。

 

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