米消費者物価指数
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FRBは5月22日にFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨(4月30日、5月1日開催分)を公表。全参加者がFF金利の据え置きは適切と判断。今後の政策運営に関しては経済指標次第との方針を確認した模様。参加者が強いインフレ警戒の姿勢を示していたことが明らかになりました。
また、様々な参加者がインフレ再加速のリスクが顕在化すれば「政策をさらに引き締める意向がある」と指摘していた模様。実際には市場で追加利上げを想定する向きはほぼいないものの、あらゆる選択肢を排除しない姿勢をあえて示した様です。
FesWatch(フェドウォッチ)
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CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(5月22日時点)によると、6月のFOMCでFRBが0.25%の利下げを行うとの見方は4.0%、7月は19.2%、9月は49.4%となっており、市場が想定するFRBの利下げ開始時期は引き続き9月がコンセンサスとなっております。
また、市場が想定する12月時点のFF金利は4.75%-5.00%が最多。ただ、FRBが年2回の利下げを行うとの見方は49.5%と、先週末(57.3%)から低下しております。また、わずかながら利上げを予想する向きも出始めており、今後の米経済指標次第の展開が続きそうです。
◆パウエルFRB議長がコロナ陽性
FRBは5月17日に、パウエルFRB議長が16日遅くに行った新型コロナウイルス検査で陽性だったと発表しました。症状が出ており、在宅で勤務しているとしております。
◆最近のFRB高官発言
・FRBのウォラー理事は5月21日に講演で、最近の物価統計を踏まえれば、目標の2%へのインフレ低下の動きは再開した様だとの見解を明らかにしました。一方、鈍化はわずかで、利下げ開始を支持するには「あと数ヶ月、良いインフレ指標を確認する必要がある」と述べております。
また、同日のCNBCテレビとのインタビューで、インフレなどの指標が今後3~5ヶ月鈍化すれば、年末にも利下げが行われる可能性があるとの見通しを示しました。一方で、データを踏まえれば「利上げの必要はない」と明言しております。
・FRBのボウマン理事は5月17日の講演で、4月米消費者物価指数などを踏まえ、インフレが当面高止まりするとの見通しを示しました。また、インフレの鈍化停滞や再燃が示唆されれば、「なおも利上げをためらわない」と強調しております。
・FRBのバー副議長(金融規制担当)は5月20日に、インフレ鈍化の進展が1-3月期に見られなかったことを受けて、「利下げを支援する様な確信増大をもたらさなかった」と述べました。その上で、「さらにある程度の時間をかけて、景気抑制的な政策を機能させる必要がある」と強調しております。
・FRBのジェファーソン副議長は5月20日の講演で、現行の政策金利は「景気抑制的な領域」にあり、インフレをいずれ鈍化させるとの述べた上で、今年に入ってから見受けられるインフレ鈍化の進展停滞が長く続くか判断するのは時期尚早と強調しました。
・クリーブランド連銀のメスター総裁は5月20日に、ブルームバーグテレビとのインタビューで、FRBの現行金融政策は「景気抑制的」とした上で、基本シナリオでは依然としてインフレの一段の鈍化を予想していることを明らかにしました。
・アトランタ連銀のボスティック総裁は5月20日に、ブルームバーグテレビとのインタビューで、インフレ率が目標の2%に戻る軌道に乗っているとFRBが確信するにはしばらく時間が掛かると述べました。
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