四半期別 南アフリカGDP

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南アフリカで5月29日に行われた国民議会(下院、定数400)選挙の開票が6月2日に終了。1994年に全人種が参加する民主的選挙が実施されて以降、一貫して政権を担ってきた与党アフリカ民族会議(ANC)は159議席と、第1党の座は維持したものの、初めて過半数を割り込んでおります。

AFP通信によると、ANCの得票率は約40%と、民主化後史上最低だった前回2019年(57.5%)を大幅に下回りました。産業界寄りで白人が主な支持基盤の第2党の民主同盟(DA)は約22%で87議席。ズマ前大統領の新党・民族のやり(MK)は約15%で58議席と躍進しております。鉱山国有化などを政策に掲げる急進左派・経済的解放の闘士(EFF)は約9%でした。

ANCは政権維持に向けて、他党との連立協議に臨むことになります。DAは白人を主な支持基盤とし、ANC内で抵抗が強い様です。一方、MKはANCのラマポーザ大統領の退任を協力の条件に掲げております。各党の思惑が渦巻く中、協議は紆余曲折が予想されます。

黒人解放の英雄ネルソン・マンデラ氏の政党であるANCは1994年の選挙から常に6割以上を得票して来たものの、民主化後も経済・社会格差は縮まらず、人口の8割を占める黒人層の多くは今も高失業率に苦しんでおります。インフラの機能不全で停電や水不足が常態化し、生活改善の兆しが見られない中、人々は変化を求めて政権与党に「ハンマーの一撃」(BBC放送)を食らわせた様です。

 

 

 

 

 

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