米ドル・円

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米ドル・円は、1986年12月以来約37年半ぶりの円安水準となっております。

米経済指標は冴えない内容の発表が多くなっているものの、FRBのボウマン理事やクック理事が、相次いで利下げを急がない姿勢を改めて示唆するなど、FRB高官からタカ派な発言が相次いでいることから、FRBによる早期利下げ観測がやや後退。そのため、日米金利差を意識した円売り・ドル買いの動きが続く中、円買い介入を実施したとみられる4月29日以来、約2ヶ月ぶりに節目の160円を突破。同日に付けた160.22円を上抜いたことで、円売りの流れが一段と強まった様です。昨晩のNY市場で一時160.87円まで上昇する場面も見られております。

なお、節目の160円を突破したことを受けて、市場では政府・日銀による円買い介入への警戒感が再び強まっており、本日の東京時間は160円台半ばで推移しております。

財務省の神田財務官は6月26日夜、「深刻な懸念を有しており、高い警戒感を持って市場の動向を注視している」との認識を示した上で、「足元の動きというのは急激である」と指摘。「行き過ぎた動きに対しては必要な対応を取っていく」と述べ、市場の投機的な動きを牽制。

鈴木財務相も本日午前中に、円安に関して「必要に応じて必要な対応を取っていく」と述べた上で、「急激な、しかも一方的な動きは望ましくない」と強調。「経済に対する影響を強く懸念している」とし、市場を牽制する発言を行っております。ただ、市場では切迫した雰囲気は感じられず、直ぐに介入に踏み切る様子は無いとの受け止めが多い様です。

介入への警戒感から上値を試しにくい地合いにはなっていないものの、FRBの早期利下げ観測が後退している一方で、日銀は今月の金融政策決定会合で、国債の買い入れ減額の具体策決定を7月の次回会合に先送りすることを決定。市場では、日銀は金融政策の正常化を慎重に進めるとの見方が多く、日米金利差は開いたままの状態が続くとの思惑が拡がっております。

テクニカル的にも、相対力指数(RSI)で見てみても、円買い介入を実施したとみられる4月29日の前日は84%まで上昇していたのに対し、今回は6月26日時点で74%に留まっていることから買われ過ぎ感は強くなく、押した場面ではドルが買い拾われ易い地合いが続きそうです。

 

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