世界の金需要(四半期別)
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産金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が7月30日に公表した「Gold Demand Trends」によると、2024年第2四半期(4-6月期)の世界金需要は前年同期比6.5%減少の929.0トンで、4四半期連続で減少。2021年第3四半期(7-9月、920.9トン)以来の低水準に留まりました。
公的機関の金購入は183.4トンと、前年同期(158.6トン)比5.6%増加。ただ、前期(299.9トン)は下回っております。買い越しは15四半期連続。
金価格が歴史的高値圏で推移する中、宝飾品需要は同18.5%減の390.6トンと、4四半期連続でマイナス。2020年第3四半期(333.2トン)以来の低水準に留まりました。
また、米長期金利が高止まりする中、金ETF(上場投資信託)関連の金需要はマイナス7.2トン。前期(マイナス113.0トン)からマイナス幅は縮小したものの、9四半期連続でマイナスとなっております。
バー・コインなど投資用需要は同4.6%減の261.0トンと、2022年第2四半期(257.6トン)以来の低水準。バーは同12.0%増の183.6トンだった一方、コインは同29.4%減の77.4トンと、2021年第2四半期(72.7トン)以来の低水準に留まっております。テクノロジー需要は同11.4%増81.1トンと、3四半期連続でプラス。人工知能(AI)を搭載したパソコンやスマートフォンなどの素材として需要が堅調だった模様。なお、OTCやその他需要を含めると世界金需要は同4.2%増の1258.2トンでした。
需要を国別で見てみると、中国は同8.3%減少の166.3トンでした。6四半期ぶりにマイナスに転じ、2022年第2四半期(140.6トン)以来の低水準に留まっております。
インドは同5.3%減少の149.7トンでした。なお、WGCは輸入税の大幅な引き下げに伴う現地価格の改定により、2024年後半の需要は改善するとの見方を示しております。既報通り、インド政府は7月に、金の輸入関税を15%から6%に引き下げております。
WGCのインド幹部は、「わが国のGDP(国内総生産)が好調に推移すると予想されているほか、(国内金需要の3分の2を占める)農村が回復しており、今年下半期の需要は支えられる」との見方を示しております。ただ、WGCによると、今年のインドの金需要は700~750トンと、4年ぶりの低水準にとどまる見通し。インドの金輸入量(ネット)は同8.0%増加の196.9トンでした。2024年1-6月期累計は376.3トン(2023年通期は746.0トン)。
世界の金供給(四半期別)
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2024年第2四半期(4-6月期)世界金供給量は前年同期比4.2%増加の1258.2トン。少なくとも第2四半期としては2010年以降で最高となっております。
世界の金需給(四半期別)
2023年Q2 | 2024年Q2 | 前年同期比 | |
鉱山生産 | 899.7トン | 929.1トン | +3.3% |
リサイクル | 324.0トン | 335.48トン | +3.5% |
ヘッジ(ネット・ベース) | -15.7トン | -6.3トン | – |
総供給 | 1207.9トン | 1258.2トン | +4.2% |
宝飾品 | 479.4トン | 390.6トン | -18.5% |
宝飾品在庫 | 14.7トン | 20.0トン | +36.4% |
テクノロジー | 72.8トン | 81.1トン | +11.4% |
公的金購入 | 173.6トン | 183.4トン | +5.6% |
投資(バー・コイン) | 273.7トン | 261.0トン | -4.6% |
バー | 164.0トン | 183.6トン | +12.0% |
コイン | 109.7トン | 77.4トン | -29.4% |
金ETF | -21.1トン | -7.2トン | – |
総需要 | 993.1トン | 929.0トン | -6.5% |
在庫間移動 | 214.9トン | 3292.トン | – |
総需要合計 | 1207.9トン | 1258.2トン | +4.2% |
※WGCの資料を基に豊トラスティ証券作成
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