米消費者物価指数
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米労働省が8月14日に発表した7月米消費者物価指数(CPI)は、前年同月比2.9%上昇。伸び率は前月(3.0%上昇)を下回り、4ヶ月連続で鈍化。2021年3月以来の3%割れとなった。市場予想(3.0%上昇)も下回り、インフレの鈍化基調が続いていることが確認された。
変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は同3.2%上昇と、伸び率は前月(3.3%上昇)から小幅縮小。市場予想と一致(3.2%上昇)した。瞬間風速を示す前月比では全体は0.2%上昇(前月は0.1%低下)、コア指数は0.1%上昇(前月は0.2%上昇)。
なお、サービス価格(エネルギー関連を除く)は前年同月比4.9%上昇。前月(5.1%上昇)から鈍化したものの、引き続き高い伸びとなっている。
FRBのパウエル議長は7月のFOMC後の記者会見で、インフレ鈍化が想定通りに進めば、「9月の会合で利下げが検討される可能性がある」と明言。物価動向や雇用情勢などを慎重に見極めた上で、利下げ幅を判断するとみられております。今週は、8月15日に7月米小売売上高の発表が予定されております。
なお、CPIの詳細をみると家賃の上昇率は再び高まり、運賃などのサービス価格の一部も伸びが強まったため、CMEが公表している「FedWatch(フェドウォッチ)」(8月14日時点)によると、9月のFOMCでFRBが0.25%の利下げを行うとの見方は65.0%と、先週末(49.0%)から上昇した一方、0.50%の利下げを行うとの見方は35.0%と、先週末(51.0%)から低下しております。
◆7月米期待インフレ、2020年11月以来の低水準
NY連銀が8月12日に発表した7月米消費者調査によると、1年先の期待インフレ率は2.97%と、前月(3.02%)から低下。3ヶ月連続で低下となり、2020年11月(2.96%)以来の低水準となりました。3年先は2.33%と、前月(2.93%)から大幅に低下。低下は3ヶ月ぶりで、1月(2.35%)以来の低水準。
◆最近のFRB高官の発言
・FRBのボウマン理事は8月10日に、インフレの上振れリスクに加え、労働市場の状況や経済見通しが不透明なことを踏まえれば、「現行の政策スタンスの調整を検討することに引き続き慎重だ」との見解を示し、FRBが次回9月のFOMCで利下げを決めるとの市場観測を牽制しました。
・アトランタ連銀のボスティック総裁は8月13日に、このところの経済指標を踏まえて、FRBはインフレ率を目標とする2%に戻せると確信を深めているとしながらも、利下げを支持する前に一段の経済指標を確認したいと述べております。
・リッチモンド連銀のバーキン総裁は8月8日に、米労働市場について、雇用増がまだ保たれているとの見方を示した上で、「雇用増がなくなり始めれば、より懸念される状況となる」と述べております。
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