NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比64.4ドル高の2537.8ドルで終了。3週連続で上昇しております。

8月5日に2403.8ドルまで下げるも、節目の2400ドルを維持。中東の「地政学リスク」が意識されて買い進められる中、8月7日から13日まで5営業日続伸。12日に2500ドル台を回復しました。14日は反落。7月米卸売物価指数(PPI)、7月米消費者物価指数(CPI)が共に市場予想を下回り、インフレの鈍化が確認されたものの、CPIの詳細をみると家賃の上昇率は再び高まり、運賃などのサービス価格の一部も伸びが強まったため、9月のFOMCでFRBが0.50%の利下げを行うとの見方が後退したため、米長期金利の低下が一服。ドルを買い戻す動きが強まる中、買い方の利喰い売りに押された模様。

ただ、FRBによる早期利下げ観測が高まる中、安値は買い拾われて反発。16日に2日付けた 2522.5ドルを上抜いて、2548.3ドルまで買い進められるなど、最高値を更新しております。

今週は8月22〜24日に毎年恒例のカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が開催されます。同会議は度々米金融政策の転換点となってきましたが、パウエルFRB議長は7月のFOMC後の記者会見で、インフレ鈍化が想定通りに進めば、「9月の会合で利下げが検討される可能性がある」と明言。そのため、市場では同会議の講演で、今後の利下げについて言及するとの見方が拡がっております。利下げ時期や想定する利下げ幅など具体的内容に言及があり、FRBによる早期利下げ観測が高まる様ですと、2600ドルを意識した動きになって行きそうです。

ただ、市場では金融市場の落ち着きと共に0.25%の利下げを予想する向きが再び多くなっているものの、0.50%の大幅な利下げを期待する向きは依然多いだけに、利下げの可能性を示すのみに留まる様だと、失望売りを招く可能性もありそうです。また、今週はFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨(7月30、31日開催分)が公表されます。

なお、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続く中、米国などが仲介役となり、ガザの停戦協議がカタールの首都ドーハで行われたものの、イスラム組織ハマスは出席せず。バイデン米大統領は8月16日に、停戦協議について合意に近づいているとの認識を示した一方、イスラエルとイスラム組織ハマスの隔たりは解消されておらず「まだ合意に至っていない」と述べており、合意を目標に交渉を続けるとしております。

交渉が進展するかどうかは不透明な情勢で、交渉が進展しなければ、イランがイスラエルに対して大規模な報復攻撃を仕掛けるとの懸念は根強く残っております。また、ウクライナ軍の越境攻撃でウクライナ情勢も緊迫するなど「地政学リスク」が再度高まっており、「安全資産」として金が選好される展開が続きそうです。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は8月16日時点で前週末比8.05トン増加の854.97トンと、7週連続で増加。

一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比6.40トン減少の363.86トンと、2週連続で減少しております。

 

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