主要国の政策金利

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欧州中央銀行(ECB)で金融政策の変更を提案する役割を担うレーン専任理事は8月24日にカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演し、ECBは目標とするインフレ率2%の達成に向けて「良い進展」を遂げているものの、目標実現はまだ確実でなく、引き続き景気抑制的な金融政策が必要だと述べました。

レーン氏は、「ECBの金融政策の効果に関する私の暫定的な評価は、最優先目標の達成に向け良い進展があった」と発言。ただ、インフレ率が2%に低下するのは2025年末になるとの予測もあり、レーン氏は「目標達成はまだ確実ではない」と指摘。その上で、「金融政策のスタンスは必要な限り抑制的な領域にとどめ続けなければならない」と述べております。

ECBは6月に4年9ヶ月ぶりに利下げを実施。7月は政策金利を据え置きました。7月の定例理事会後の記者会見で、ラガルド総裁は9月の利下げは「データ次第」と発言しております。なお、ECBは9月会合で四半期に1度の「景気・物価見通し」を公表する予定。最近の賃上げ圧力の後退や、景気不安などを踏まえ、中期的にインフレ鈍化が続くと判断すれば、追加利下げに踏み切ると市場では見られております。

◆英中銀総裁、追加利下げ急がず

イングランド銀行(BOE、中央銀行)のベイリー総裁は8月23日にカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演し、長期的な物価圧力は緩和しつつあるとしながらも、インフレが抑制されたと確信するにはまだ早いため、追加利下げを急ぐつもりはないと述べました。

2022年の物価高騰による波及的な影響は英中銀が懸念していたほど大きくなかったとしたものの、「勝利宣言は尚早だ」と発言。「根強いインフレを抑制するための経済的コストは、過去の事例と比べて小さくなっている可能性がある」とし、経済のソフトランディング(軟着陸)のシナリオに沿ったディスインフレのプロセスに整合しているとの考えを示しました。

同時に、インフレ期待が一段と安定していると「慎重ながらも楽観」しているとしながらも、金融政策は「十分な期間にわたり制約的でなければならない」と述べております。

BOEは8月に、4年5ヶ月ぶりに利下げを実施。金融政策委員会(MPC)後の記者会見で、ベイリー総裁は今後は慎重に動くとし、「インフレが低水準にとどまることを確認し、早過ぎたり幅が大き過ぎたりする引き下げにならないよう注意する必要がある」と述べたことから、市場では9月は政策金利が据え置かれ、11月の会合で追加利下げに踏み切るとの見方が拡がっております。

 

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