サウジアラビアの原油生産量

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英紙フィナンシャル・タイムズ電子版は9月26日に、関係筋の話としてサウジアラビアは非公式に設定していた1バレル=100ドルの原油目標価格を取り下げたと報じました。

石油輸出国機構(OPEC)加盟国と、ロシアなど非加盟の産油国で構成される「OPECプラス」スが9月5日に、10月から予定していた自主減産分の段階的縮小を2ヶ月間延期することで合意した生産量削減についても、12月以降は予定通り、削減幅の縮小(増産)に乗り出すとしております。サウジアラビア当局からのコメントは出ていない模様。

サウジアラビアでは実質的トップであるムハンマド皇太子が野心的な経済プロジェクトを進めており、国際通貨基金(IMF)によると、予算を均衡させる原油価格は1バレル=100ドル程度になります。サウジアラビアは、これ以上市場シェアを縮小させることを容認しない方針で、原油価格が下落しても、資金は外貨準備の活用や国債発行などで確保する様です。

サウジアラビアは「OPECプラス」の減産分の大半を負担しており、過去2年間の減産幅は日量200万バレルと、全体の3分の1超を占めております。OPECによると、8月のサウジアラビアの産油量は日量898.3万バレルで、コロナ禍を除くと2011年以来の低水準にとどまっておりますが、計画では12月以降、毎月日量8.3万バレルずつ増やし、増産幅は2025年12月に日量100万バレルに達する見通し。

サウジアラビアは、特にイラクとカザフスタンが割り当てられた減産量を順守していないことに不満を募らせている模様。両国は8月に、これまでの生産超過分を今後の生産調整で補うとしましたが、サウジアラビアは懐疑的に見ている様で、両国が約束を履行しない場合、計画を上回る増産に踏み切る可能性もあるとしております。

 

 

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