NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比21.9ドル高の2668.1ドルで終了。3週連続で上昇しております。

先週のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、FRBが通常の2倍にあたる0.50%の利下げを決定し、米利上げサイクルが終わりを迎え、金融政策が2年半ぶりに「引き締め」から「緩和」に切り替わる中、「金利を生まない資産」である金市場に投機資金が流入。連日で最高値を更新するなど、9月18日から26日まで7営業日続伸。26日に一時2708.7ドルまで買い進められて、史上初めて2700ドルに乗せる場面も見られております。

ただ、翌27日は反落となりました。大きな売り材料は見当たらないものの、大台に乗せた達成感や相対力指数(RSI)が80%に迫る中、テクニカル的な買われ過ぎ感が意識された様です。

とは言え、ウクライナ情勢に加えて、中東ではイスラエルとレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラの間で、攻撃の応酬がエスカレートする中、イスラエル軍はレバノンに地上侵攻する可能性を示唆。イランはイスラエルとの直接衝突を望まない姿勢を見せているものの、偶発的な衝突からイランが巻き込まれるリスクもあり、「地政学リスク」への懸念から「安全資産」として金を買う動きも強まっている様です。

それに加えて、支持率が拮抗する中、米大統領選の勝敗の行方は依然不透明なままですが、民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領、どちらの候補が勝利しても財政拡張的な政策が取られるとの見方から、「ドルの代替通貨」としても買われている模様。

日本を除く主要国で利下げの動きが拡がり、世界的な金融緩和の流れが強まっていることに加えて、中国政府が金融緩和策に続いて財政拡大策を発表するなど、景気刺激策を相次いで打ち出す中、同国の需要回復期待も高まっていることから、押し目は引き続き買い拾われそうです。

先週も書いた様に、過去にFRBが利下げを開始した後の変動パターンをみると、金は上げ易い傾向があります。FRBが「利下げサイクル」に入ったことは金にとってポジティブに作用しそうで、引き続き堅調な値動きが想定されます。

ドット・チャートによると、FOMCメンバーは年内に0.25%幅で2回の利下げを想定しているが、CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(9月27日時点)によると、市場では11月のFOMCの利下げ幅を巡り、0.25%と0.50%が拮抗しており、今週は9月米雇用統計をはじめとした米労働関連指標の発表が注目されそうです。

また、SPDRゴールドの金保有残高はFOMC声明が発表された9月18日以降、0.30トン減少となっております。27日に5.19トン減少したことが要因ですが、先物の動きに対して実需の動きが弱いだけに、今後実需の動きが本格化して来るか注目されます。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は9月27日時点で前週末比3.46トン減の871.94トンと、3週ぶりに減少に転じております。

一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比1.38トン増加の371.36トンと、6週連続で増加しております。

 

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