NY金(中心限月、日足)
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先週のNY金(中心限月)は、週末比24.6ドル高の2754.6ドルで終了。3週連続で上昇しております。
10月15日から22日まで6営業日続伸。10月17日に終値ベースで史上初めて2700ドルに乗せる中、9月26日の高値2708.7ドルを上抜き、連日で最高値を更新。23日に2772.6ドルまで上昇する場面も見られたものの、急ピッチな上昇に対する警戒感が強まる中で急落となりました。米長期金利が一時4.26%まで上昇し、約3ヶ月ぶり高水準を付ける中でドル高が進み、相対的にドル建て商品に割高感が生じていることも嫌気された様です。2722.1ドルまで下げる場面もみられたものの、
中東の「地政学リスク」への警戒などを背景に、安値は買い拾われております。
なお、イスラエル軍は10月26日に、イランの軍事施設に「精緻な攻撃」を実施したと発表。イランのタスニム通信は同日、同国が「イスラエルに報復する用意がある」と報じたものの、バイデン米大統領が同じく同日に、イスラエル軍によるイラン攻撃について「軍事施設以外は標的にしなかった。これで終わりになるのを望む」と述べ、イスラエルの報復が抑制的だったのを踏まえ、イランに反撃を思いとどまる様に要求。イラン国営メディアによると同国の最高指導者ハメネイ師は10月27日に、イスラエルによる攻撃について「軽視することも誇張することもすべきではない」と述べ、反撃について具体的に言及せず。イラン軍も声明で「イランは適切な時期に対応する正当な権利を留保する」と表明し、即時の反撃に慎重な考えを示唆したため、週明けの時間外取引は軟調に推移しております。
米大統領選が目前に迫り、目先は買い方の利喰い売りが出易くなりそうなことから、目先は1750ドルを中心としたレンジで推移しそうです。ただ、各調査機関が金価格見通しを相次いで引き上げるなど、中長期的に上昇が続くとの見方は依然多い模様。
また、ウクライナ情勢に加えて、中東では紛争拡大への懸念が一段と高まるなど「地政学リスク」への懸念は根強い上に、米大統領まで2週間を切る中、民主党候補ハリス副大統領と共和党候補トランプ前大統領に対する支持率が依然として拮抗し、政局不安が強まる中、引き続き「安全資産」として安値は買い拾われそうです。世界的な金融緩和の流れに加えて、FRBの利下げサイクルが継続するとの見方も価格を下支えると見られております。
なお、金価格が高止まりする中、世界二大金需要国のインドで需要減退懸念が出ておりますが、インドではヒンズー教の新年のお祝いである「Diwali(ディワリ)」が、今年は10月29日から11月3日まで祝われます(メインは3日目の10月31日)。ディワリは別名「光の祭り」とも呼ばれ、闇(悪)に対する光(善)の勝利をお祝いするため、ランプや電飾で家を明るく照らす習慣があります。この期間中に高価なものを買うと縁起が良いとされます。また、親戚や友人などと贈り物を交換する伝統があり、贈答用として金や銀の装飾品が好まれるため、金の需要が増加する傾向があります。
最後に、米金融大手シティグループのリサーチ部門は10月21日付レポートで、3ヶ月先の金価格を2800ドル、6~12ヶ月先は3000ドルと予測しております。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は10月25日時点で前週末比1.14トン増の889.78トンと、4週連続で増加しております。
一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比3.03トン増加の380.16トンと、10週連続で増加しております。
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