米金融大手ゴールドマン・サックスは3月22日付きレポートで、2026年のブレント原油平均価格を1バレル=85ドル(従来見通しは77ドル)、WTI原油平均価格は79ドル(従来見通しは72ドル)に、それぞれ上方修正しました。ホルムズ海峡の事実上の閉鎖によるエネルギー輸送の混乱長期化と、「史上最大規模の供給ショック」(同行)を反映したとしております。
供給混乱がいつまで続くか不透明な中、市場参加者がリスクプレミアムの高まりを織り込んでいるとして、3~4月のブレント原油平均価格を従来見通しの98ドルから110ドルに引き上げております。また、仮にホルムズ海峡が10週間ほぼ封鎖され、中東の原油生産が6ヶ月間で日量200万バレル失われた場合、原油価格は135ドルまで上昇する可能性があると予測しました。一方で、米国がイランへの攻撃を終了した場合、リスクプレミアムが急速に縮小する可能性があるとしております。2027年はブレント原油が80ドル、WTI原油は75ドルと予測しております。
また、ゴールドマンは、ホルムズ海峡を通過する海上輸送が4月10日まで通常の5%にとどまり、その後1ヶ月にわたって徐々に回復すると予測。また、中東の産油量の損失が日量1100万バレル前後から日量1700万バレルに拡大し、その後生産を再開して全面復旧するのに4週間を要するとして、総損失は8億バレルを上回ると見込んでおります。
◆ゴールドマン、米景気後退確率を引き上げ
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は3月23日に、米金融大手ゴールドマン・サックスが今後12ヶ月間に米経済が景気後退に陥る確率を30%と、従来見通しから5ポイント引き上げたと報じました。中東情勢の緊迫化に伴エネルギー価格の高騰が理由。FRBが9月と12月に利下げするとの見通しは据え置いております。
ゴールドマンは、中東情勢の悪化によるエネルギー価格の上昇と引き締め的な金融環境が重なっていることに加え、昨夏にトランプ米大統領が成立させた大規模減税法の効果が薄れていると指摘。そのため、基本ケースでは失業率が年末までに4.6%に上昇。2026年後半の米GDP(国内総生産)成長率は年率換算で1.25~1.75%と、トレンドを下回ると予想しております。
また、中東情勢の緊迫化により、世界的なインフレが加速し、世界のGDP成長率を0.4ポイント押し下げると試算。最悪を想定したシナリオでは、押し下げ幅は2~3倍に拡大する可能性があるとしております。
◆IMF、原油高騰継続ならインフレ率0.4%押し上げも
国際通貨基金(IMF)のコザック報道官は3月19日の記者会見で、米国とイスラエルによるイランへの攻撃に伴う原油価格高騰が年内にわたって続けば、世界全体のインフレ率を0.4%押し上げるとの見方を示しました。また、世界の生産は0.1~0.2%程度下落する可能性があるとし、「経済的な影響で、既に深刻な混乱が生じている」と懸念を示しております。
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