米国の政策金利

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FRBのパウエル議長は8月22日に、米西部ワイオミング州で開催された年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演。現行の政策金利について「景気抑制的な領域にある」と言明。これまでの「小幅に抑制的」との見解を微調整した。さらに、「基本的な見通しと、リスクバランスの変化で、政策スタンスの調整が必要になる可能性がある」と述べ、利下げの検討を慎重に進める考えを示唆しました。トランプ米政権の高関税政策に強い警戒感も示しております。

パウエル議長は、物価安定と雇用最大化というFRBの2つの責務について、「インフレが上振れ、雇用は下振れするリスクがあり、金融政策の運営は困難な状況だ」と指摘。

今月発表された7月米雇用統計で5、6月の非農業部門就業者数が大幅に下方修正されたものの、雇用の伸び鈍化はトランプ米政権の移民規制強化による労働力供給減もあって、「労働市場に大幅な余剰をもたらしていない」と分析。一方、直近で4.2%の失業率は「歴史的な低水準だ」と述べております。その上で、労働力需給の鈍化が「雇用下振れリスクは増大している」と言及。リスクが現実のものとなれば、「速やかにレイオフが急増し、失業率も上昇し得る」と警告。雇用指標を一段と注視していく姿勢を示しました。

労働市場の鈍化が鮮明となる一方で、「トランプ関税」によるインフレ再燃も懸念されていることについては、関税による物価への影響は「今や明らかだ」と断言。関税引き上げの影響は一時的とみられるものの、「持続的なインフレの問題となる可能性もあり、それは管理すべきリスクだ」と述べております。

また、「金融政策はあらかじめ決められたコースに沿うものではない」とも述べ、今後得られるデータや経済見通しの分析に基づき、利下げを注意深く判断していく従来の認識を示しております。

昨年の講演でパウエル議長は「Time has come for policy to adjust.(政策を調整すべき時が来た)」と述べ、9月の利下げを示唆。その後、9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で4年半ぶりの利下げを決定したため、今年の講演でも、9月16、17日の両日に開催される次回のFOMCでの利下げ再開を示唆するか注目されていました。

なお、トランプ米大統領は8月22日に記者団に対し、パウエルFRB議長がこの日の講演で、利下げ検討を示唆したことについて、「遅過ぎる」と改めて批判しております。
◆FRBが新たな政策運営指針、「低インフレ対応」削除

FRBは8月22日に、新たな「金融政策枠組み」に関する声明を公表。枠組みは5年ごとに見直され、政策判断の指針となります。従来は長引く低インフレからの脱却を重視していたものの、今回はそうした対応を意識した文言を削除しております。

声明で、「インフレ率が持続的に2%を下回って推移すれば、しばらく2%を緩やかに上回るインフレ率達成を目指す」との文言を削除。一方で「長期的なインフレ見通しが十分固定されつづけるため、断固として行動する用意がある」と、新たに付け加えられております。新たな指針には、ここ数年の高インフレを踏まえた「苦い注意喚起」(パウエルFRB議長)として、「物価の安定は健全で安定した経済にとって不可欠で、全米国民の幸福を支える」と明言しております。

 

 

 

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