中国GDP

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中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝総裁は9月24日に、市中銀行から強制的に預かるお金の比率を示す「預金準備率」を0.50%引き下げると発表した。引き下げは2月以来となる。引き下げる時期については「近いうち」と述べるにとどめたが、市場に約1兆元(約20兆円)の資金を放出することになると説明。年内に、さらに追加で最大0.50%下げる可能性があると述べた。

また、新たに政策金利と位置付けた7日物オペ金利を0.20%引き下げて1.50%にすると発表した。引き下げは7月以来、約2ヶ月ぶり。従来は優良企業向けの貸出金利となる最優遇貸出金利(LPR)1年物が事実上の政策金利と位置付けられてきたが、潘氏は7日物金利を「政策金利だ」と強調した。米ブルームバーグ通信によると、人民銀が7日物オペ金利と預金準備率の引き下げを同時に公表するのは少なくとも2015年以降で初めて。

住宅購入に関わる家計負担の軽減策も発表。既存の住宅ローン金利を新規の住宅ローン金利並みに引き下げる様に商業銀行に促すとし、既存の住宅ローン金利は0.50%程度下がると説明した。また、2軒目の購入額に占める頭金の比率を1軒目と同じ最低15%に統一すると述べた。既に、5月に1軒目で最低15%、2軒目で最低25%に引き下げているが、消費者が負担する頭金比率を下げて住宅需要を喚起する。潘氏は一連の金融緩和を「経済の安定的な成長を図るため」と説明した。

株式市場支援策も併せて打ち出され、政府系ファンド(SWF)、中国投資(CIC)傘下の中央匯金投資(匯金)による上場投資信託(ETF)買い増しや、PBR(株価純資産倍率)が長期で1倍を下回る上場企業について改善計画の策定などが発表された。

中国では家計の主要な資産である不動産の価格下落が続き、景気の冷え込みが長期化。今年の成長率が政府目標の「5%前後」に届かないとの見方が拡がる中、中国政府は大規模な金融緩和を打ち出した。先週のFOMC(米連邦公開市場委員会)でFRBが4年半ぶりに利下げをしたことで、人民元安に対する懸念が和らいだことが大きかった様だ。潘氏は「日本以外の主要国の金融政策は利下げ局面に入っており、人民元に対する外部からの圧力は明らかに軽くなった」と述べている。

ただ、市場では内需を押し上げるにはさらなる財政拡大策が必要との見方が多い。また、追加の不動産市場のこ入れ策が示されたが、不動産不況の主因である不動産開発会社の信用不安の解消策は示されておらず、景気の回復には「依然不十分」と見方が出ている。

 

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