ダウ工業株30種平均

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昨晩の米国市場はジューンティーンス(奴隷解放記念日)で休場。ダウ工業株30種平均線は、投資家のリスク選好姿勢が戻り、「FOMO(Fear of Missing Out、取り残される恐怖感)」を意識した買いが入る中、6月11日に一時43115.69ドルまで上昇するなど、3月5日以来の43000ドル台を回復する場面も見られております。

ただ、イスラエルがイランの核関連施設などを攻撃したことを受けて、投資家のリスクオフ姿勢が強まる中、一時42081.09ドルまで下げるなど、13日は急落となりました。

週明けに、イランが米国とイスラエルに協議を求めているとの報道を受けて、中東情勢の一段の悪化が避けられるとの思惑から、安値拾いの買いが入り、42000ドル台は維持しております。一方で、トランプ米大統領が17日にSNSで、イランに対して「無条件降伏」を求めるなど、米国がイラン攻撃に加わるとの見方が拡がる中、上値の重い展開が続いております。

その後、トランプ米大統領は19日に、イランとの交渉が近いうちに実現する可能性が高いことを踏まえ、イランへの軍事行動の是非を2週間以内に決めると表明したため、市場では様子見ムードが強まっているようです。

ドイツ銀行によると、S&P500種株価指数は地政学的ショックが発生した後の3週間で平均6%程度下落し、その後の3週間で回復する傾向があるようですが、中東情勢が一段と悪化するとの懸念は払しょくされていない上に、7月9日に相互関税の猶予期限が迫る中、トランプ米政権の関税政策や貿易相手との交渉を巡る先行き不透明感も再度強まっております。「恐怖指数」とも呼ばれるVIX指数は、投資家の不安心理が高まった状態とされる20を上回って推移しているだけに、来週も引き続き上値の重い展開が続きそうです。

テクニカル的にMACDがデッド・クロスを維持する中、200日平均線でレジスタンスを受ける展開が続いているだけに、節目の42000ドルを割り込むようですと、50日平均線辺りまで下げることも想定されます。

なお、5月米小売売上高は前月比0.9%減少。2ヶ月連続でマイナスとなり、市場予想(0.7%減)を下回りました。トランプ米政権の高関税策で値上がりする前にモノを買う駆け込み消費が落ち着き、消費の減速感が強まっております。小売企業は関税によるコスト上昇を価格転嫁する値上げに踏み切れていないとみられ、今後価格が引き上げられれば消費の支出意欲がさらに減退し、景気に本格的な下押し圧力が掛かる可能性がありそうです。

 

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