NY金
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先週のNY金(中心限月)は、前週末比156.8ドル安の3187.2ドルで終了。下落に転じました。引き続きボラティリティの高い動きが続いております。
5月7日に3448.2ドルまで上昇する場面も見られたものの、3500ドル台を回復出来ず。トランプ米大統領が5月8日に、関税措置を巡る英国との交渉で合意に達したと発表。トランプ米政権の関税措置を巡る貿易相手国との交渉で初の合意となったことを受けて、投資家のリスク選好姿勢が強まる中、米国と中国が5月10、11日の両日に、スイスのジュネーブで初の閣僚級協議を開催。ベッセント米財務長官が12日に、米中両国が関税率を115%引き下げて、90日間の交渉期間で合意したと発表。米中対立が緩和に向かうとの期待が拡がる中、「安全資産」として買われて来た金を手放す動きが強まり、5月14日に終値ベースでは4月10日以来の3200ドル割れとなり、翌15日に3123.3ドルまで下げる場面も見られております。
FRBによる早期利下げ観測が後退していることに加えて、インドとパキスタンが即時停戦で合意し、中東歴訪中のトランプ米大統領が5月15日に、イランとの核合意が「近づいている」と発言するなど、ここに来て「地政学リスク」が弱まっていることも、上値を重くしている様です。世界最大の金ETFであるSPDRゴールドの金保有残高も減少傾向にあります。
ただ、米格付け大手ムーディーズ・レーティングスは5月16日に、米国債の格付けを最上級の「Aaa」から「Aa1」に1段階引き下げたと発表。米国債を巡っては、三大格付け大手のうちフィッチ・レーティングスは2023年8月1日、S&Pグローバル・レーティングは2011年8月5日に、それぞれ最上級から格下げしており、米国は主要格付け会社による最上位の格付けを全て失ったことになります。米財政不安が再燃する中、金は「安全資産」として選好されて、週明けの時間外取引は急反発。一時3252.9ドルまで上昇するなど、3200ドル台を回復しております。
なお、1日順延されて5月16日にトルコのイスタンブールで開催されたロシアとウクライナとの停戦交渉は合意に至らず。5月19日にトランプ米大統領とロシアのプーチン大統領の電話会談が行われる予定となっておりますが、ロシアが強気な姿勢を示す様だと、米国がロシアに対する経済制裁を一段と強めるとの見方が出ております。
また、イスラエル軍は5月18日に、過去24時間のうちにパレスチナ自治区ガザで大規模地上作戦に着手したと発表。イランの核開発問題を巡っても、米国とイランの協議の行方に不透明感が強まっており、「地政学リスク」への警戒感も再度高まっております。
とは言え、テクニカル的にMACDが下げ基調を強めている上に、チャートの形は「Wトップ型」が意識され始める中、上値の重さが意識され始めているだけに、引き続き50日平均線や昨年12月19日を起点としたアップ・トレンドをサポートに、3200ドル台を維持出来るか注目されそうです。
なお、今週は先進7ヶ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議や、同会議後の開催が報じられている日米財務相会談や3回目の日米通商協議などが注目されます。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は5月16日時点で前週末比19.21トン減少の918.73トンと、5週連続で減少しております。
一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.50トン減少の438.99トンと、7週ぶりに減少に転じております。
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