NY金(中心限月、日足)
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先週のNY金(中心限月)は、前週末比11.6ドル安の2322.9ドルで終了。2週連続で下落しております。
5月20日に一時2454.2ドルまで買い進められるなど最高値を更新。ただ、その後は4営業日続落。米景気の底堅さに加えて、FRB高官が相次いでタカ派な発言をする中、FRBによる早期利下げ観測が後退。米長期金利の上昇が続き、軟調な地合いが継続。5月31日は、インフレ指標が予想の範囲内に留まり、市場が警戒していたほどインフレ圧力が高まっていなかったとの見方から買われる場面も見られたものの、一方でインフレ鈍化が進んでいないとの見方も拡がったことから、結局軟調な地合いが継続となり、一時2319.0ドルまで下げる場面も見られております。
なお、4月米個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比2.7%上昇。伸び率は前月から横ばいで、市場予想と一致。価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は2.8%上昇と、同じく伸び率は前月から変わらずでした。
FRBはブラックアウト期間に入り、FRB高官は発言を控えるため、今週は米経済指標に関心が集まりそうです。なお、4月米雇用動態調査(JOLTS)、5月米雇用統計など複数の米雇用関連指標が発表される予定。引き続き、米景気の底堅さを示す内容が示されるか注目されます。
また、今週は欧州中銀(ECB)定例理事会が開催されます。市場では既に利下げを織り込んでいる様に見えるだけに、最近の経済指標の持ち直しを受けて、7月以降の追加利下げについて、ラガルド総裁がどこまで言及するか注目されます。
テクニカル的には、Wトップ型が意識され始め、上値の重い展開が続く中、50日平均線を割り込んで来ております。このまま上回れない様ですと、節目の2300ドル、次いでWトップのネック・ラインと見られている5月3日の安値2285.2ドルを意識した動きになる可能性もありそうです。
ただ、ウクライナ情勢が激しさを増していることに加えて、パレスチナ自治ガザ最南部ラファでの地上戦が激化するとの見方が拡がるなど、「地政学リスク」に対する懸念は根強い。また、中央銀行や中国を中心とした現物需要は引き続き旺盛であることから、安値は買い拾われそうです。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は5月31日時点で前週末比変わらずの832.21トンでした。
一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.26トン減少の381.20トンと、2週連続で減少しております。
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