米大手銀行6行 2023年10-12月期決算

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米大手銀行6行の2023年通期決算が出揃いました。シティグループなど4社が減益。シティは大規模な人員削減などに伴う費用計上が収益を圧迫。投資銀行が中心のゴールドマン・サックスは唯一の減収でした。企業のM&A(合併・買収)に関する助言業務の低調さが響いた模様。2万人の人員削減を計画するシティは退職金に加え、ロシア関連の引当金を計上したため、純利益が前期比38%減と大幅に落ち込んでおります。

融資などの商業銀行業務が主体のJPモルガン・チェースの純利益は2023年通期で32%増となり、最高益を記録。金利上昇が重荷になる投資銀と、プラスに働く商銀で明暗が分かれた様です。ただ、高金利下で需要が冷え込んでいた投資銀行ビジネスにも回復の兆しが出始めております。

米大手銀行6行の2023年10-12月期の投資銀収益は合計66億ドルと前年同期比4%増加。FRBの金融引き締め前だった2021年をピークに大幅減が続いたもの、底入れしつつあります。ゴールドマン・サックスの2023年12月期の純利益は4年ぶりの低水準になったものの、2023年10-12月期は9四半期ぶりに最終増益を確保。米国の底堅い景気や早期の利下げ期待で企業がM&A(合併・買収)や資金調達に前向きになっている様です。

なお、JPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は声明で「消費者は支出を続け、米経済は引き続き強靱だ」との認識を示した上で、環境対策や世界的な供給網の再編など中長期的な要因が「しつこいインフレを招き、金利は市場が見込む以上に高くなるかもしれない」と指摘。FRBの量的引き締めや、ウクライナと中東で続く戦争といったリスク要因も挙げ「我々は(事業運営に)慎重であり続ける」と述べております。

 

米大手銀行6行 2023年10-12月期決算

純営業収益

純利益

JPモルガン・チェース

385億ドル

93億ドル

バンク・オブ・アメリカ

219億ドル

31億ドル

ウェルズ・ファーゴ

204億ドル

34億ドル

シティグループ

174億ドル

-18億ドル

モルガン・スタンレー

128億ドル

15億ドル

ゴールドマン・サックス

113億ドル

20億ドル

※豊トラスティ証券作成

 

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