米銀の貸出態度指数
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FRBが7月31日に発表した上級銀行貸し出し担当者調査(SLOOS)によると、米銀は2023年4-6月期に融資基準を引き締めたほか、企業および消費者からの融資需要が減退したことが明らかとなりました。また、年後半に融資基準を一段と厳しくすることも明らかに。FRBは「貸し出し基準を一段と厳しくする理由として最も多く挙げられたのは、景気の先行き不透明感に加え、不動産などの担保価値の低下や貸し倒れリスクの高まりに対する警戒感」と指摘しております。
大・中規模企業向けの融資基準を引き締めた銀行の割合は差し引き50.8で、前回調査(46.0)から4.8ポイント上昇。数値が高いほど融資に慎重な様子を示し、新型コロナウイルスの感染拡大初期の2020年4-6月期(71.2)以来の高水準になっております。
小規模企業向け融資基準を引き締めた銀行の割合も49.2%と、前回調査(46.7)から2.5ポイント上昇。3年ぶり高水準になっております。
銀行の融資態度は米景気との相関が強いと言われており、基準の大幅な厳格化が進んだ時期に景気後退が発生してきました。足元で堅調な経済指標やインフレ鈍化を踏まえ、ソフトランディング(軟着陸期待)が高まっておりますが、与信環境の引き締まりに企業や家計が耐えれるかが鍵になると見られております。
なお、FRBは7月27日に、大手や中堅の金融機関に対する資本規制強化案を公表。規制の変更により、中核的自己資本は合わせて約1700億ドルの増強が求められます。自己資本比率では2%分の積み増しに相当。2028年7月の完全実施を目指すとしております。
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