NY原油(中心限月、日足)

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NY原油(中心限月)は、石油輸出国機構(OPEC)加盟国・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」が小幅増産を決めたことや、米エネルギー情報局(EIA)の週報で最新週の米原油在庫やガソリン在庫が増加したことが嫌気され、7月14日の安値90.56ドルを下回り、90.38ドルまで下げる場面も見られております。近日中に、イラン核合意再建に向けた交渉が再開される見通しと報じられたことも売りを誘った模様。

「OPECプラス」は8月3日にオンラインで閣僚級会合を開き、9月に日量10万バレルの追加増産を行うことで合意しました。バイデン米大統領が7月のサウジアラビア訪問で増産を求めており、消費国に一定の配慮を示した様です。ただ、世界景気の減速懸念やロシアへの配慮もあり、小幅増産に留まっております。なお、OPECは声明で、「余剰生産能力は極めて限られており、慎重に活用する必要がある」と小幅の増産にとどめた理由を説明しました。9月の生産目標は20ヶ国合計で日量4395万5000バレル。次回会合は9月5日に開催される予定。

 

OPECの原油生産量

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現在取引中の時間外取引は反発に転じているものの、引き続き200日平均線を下回って推移しており、上値の重い展開が続きそうです。

節目の90ドルを維持出来ない様ですと、先日も書いた様に、昨年12月2日の安値62.43ドルから今年3月7日の高値130.50ドルの上げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の61.8%押し水準88.43ドルを意識した動きになることも想定されます。

とは言え、追加増産は、世界需要の約0.1%相当に留まり、「OPECプラス」の生産余力は限られる一方、欧州のエネルギー供給への懸念は解消されていないことから、80ドル台後半は買い拾われそうです。

なお、米エネルギー情報局(EIA)の週報によると、最新週の米原油在庫は前週比450万バレル増と、市場予想(60万バレル減)に反して大幅な積み増し。ガソリン在庫も20万バレル増となりました(市場予想は160万バレル減)。

米国のドライブシーズンはメモリアルデー(今年は5月30日)からレーバーデー(今年は9月5日)までと言われますが、需要のピークは8月半ば頃となります。

 

米ガソリン出荷量

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