世界白金需給
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白金製錬業の英ジョンソン・マッセイ(JM)社は、5月15日に「PGM Market Report」を発表。2025年の世界白金需給は22.9トンの供給不足になるとの見通しを示しました。不足幅は少なくとも統計が遡れる1975年以降で最大となった前年(24.1トンの供給不足)からやや縮小する見通しであるものの、予想通りとなると3年連続で供給不足となります。
2025年の世界白金総供給は前年比2.41%減少の215.5トンと予測。2年連続でマイナスとなり、2022年(210.4トン)以来3年ぶり低水準に留まる見込み。
内訳は、一次供給(鉱山生産量)は同3.2%減の172.4トンと予測。2年連続でマイナスとなり、2022年(163.0トン)以来3年ぶり低水準に留まる見込み。世界最大の白金生産国である南アフリカの生産量は同5.2%減の121.3トンと予測。3年ぶりにマイナスとなり、2020年(100.9トン)以来5年ぶり低水準に留まる見込み。一方で、二次供給(リサイクル量)は同0.9%増の43.1トンと予測。2年連続でプラスとなり、2022年(47.3トン)以来3年ぶり高水準となると見込んだ。
2025年世界白金需要量は前年比2.6%減少の238.3トンと予測。4年ぶりにマイナスに転じ、2022年(207.8トン)以来3年ぶり低水準に留まる見込み。
用途別に見てみると、自動車触媒需要は同5.4%減の100.4トンと予測。5年ぶりにマイナスに転じ、2022年(85.3トン)以来3年ぶり低水準に留まる見込み。ただ、3年連続で100トン台を維持するとしております。
自動車触媒を除く産業需要は同6.5%増の84.8トンと予測。3年ぶりにプラスに転じ、2023年(89.8トン)以来2年ぶり高水準となる見込み。
宝飾品需要は同1.2%増の43.3トンと予測。2年連続でプラストなり、2022年(43.6トン)以来3年ぶり高水準になると見込んでおります。また、投資需要は9.9トンとし、前年(16.3トン)から大幅に減少するも、3年連続でプラス(資金流入)となると予測しております。
世界白金需給(データ)
2023年 | 2024年 | 2025年 | 前年比 | |
鉱山生産量 | 180.7㌧ | 178.0㌧ | 172.4㌧ | -3.2% |
(南アフリカ) | 124.5㌧ | 127.9㌧ | 121.3㌧ | -5.2% |
リサイクル量 | 41.9㌧ | 42.7㌧ | 43.1㌧ | +0.9% |
総供給 | 222.6㌧ | 220.7㌧ | 215.5㌧ | -2.4% |
自動車触媒需要 | 104.3㌧ | 106.1㌧ | 100.4㌧ | -5.4% |
宝飾品需要 | 42.7㌧ | 42.8㌧ | 43.3㌧ | +1.2% |
触媒を除く産業需要 | 89.8㌧ | 79.6㌧ | 84.8㌧ | +6.5% |
投資需要 | 5.6㌧ | 16.3㌧ | 9.9㌧ | -39.2% |
総需要 | 242.3㌧ | 244.8㌧ | 238.3㌧ | -2.6% |
需給バランス | -19.7㌧ | -24.1㌧ | -22.9㌧ |
※豊トラスティ証券調べ、2025年はJM社の予測
※小数点以下は四捨五入につき、合計は必ずしも一致しない
※前年比は2024年と2025年の比較
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