トランプ米大統領は4月2日にホワイトハウスで演説し、日本を含む貿易相手国に同水準の関税を課す相互関税を導入すると発表しました。全輸入品に一律10%の関税を賦課。関税や非関税障壁を踏まえ、国・地域別に踏まえて算出した関税率を上乗せするとしております。日本の上乗せ関税率は計24%。各国・地域からの報復措置は確実で、世界的な保護主義の加速が懸念されております。

相互関税は安全保障上の脅威に対処する国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく措置。一律10%分は4月5日午前0時1分、上乗せ分は4月9日午前0時1分から適用されます。

主要国の相互関税率は欧州連合(EU)が20%、韓国が25%。中国は34%と、これまでの追加関税分を含め計54%となります。

トランプ氏は、「今日は米国解放の日だ。米国の黄金時代が戻る」と宣言。「米国の納税者は50年以上、敵国からも友好国からも略奪されてきた」が、相互関税により「そんなことはもうこれ以上起こらない」と強調。「多くの場合、友好国は貿易の面で敵対国よりもたちが悪い」と述べ、安全保障や軍事面での同盟国や友好国にも関税政策で容赦しない方針を打ち出しております。

また、貿易相手国は「為替を操作し、輸出に補助金を出し、知的財産を盗んできた」と非難。日本に対しては、「コメに700%の高関税を課す。(米国の)コメを売りたくないからだ」と批判。米国産のコメや自動車を買わず、「とてもタフ(頑強)だ」と述べ、24%関税の根拠としております。

「相互関税」は、貿易相手国と同等の関税を課す措置で、今後の焦点は交渉による関税引き下げとなります。トランプ氏は「外国の大統領、首相、国王、大使みなが直ぐに、関税の適用除外を求めてくるだろう」と述べた上で、「関税を終わらせ、(非関税)障壁を撤廃し、為替操作をやめるよう伝える」とし、交渉には厳しい姿勢で臨む考えを明らかにしました。

◆ベッセント米財務長官、報復措置なら対立激化

ベッセント米財務長官は4月2日に、FOXニュースとのインタビューで、トランプ米大統領が発表した「相互関税」について、貿易相手国が報復措置を講じれば「エスカレーション(激化)がある」と強調し、対立が深刻化すると各国に警告しております。

◆米、無人島にも相互関税

トランプ米大統領が発表した相互関税は、無人島も対象となった。南極に近く、アザラシやペンギンなどが生息するだけの豪州領のハード島とマクドナルド諸島に対し、トランプ米政権は10%の関税を課しております。米メディアは「ペンギンとの貿易戦争」と報じております。

 

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