米消費者物価指数

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FRBのパウエル議長は4月16日の講演で、「当面は、状況がより明確になるまで金融政策変更の検討を待てる良い状況にある」と述べ、トランプ米政権の関税政策を見極めるとし、市場の一部で浮上していた追加利下げに慎重な見方を示しました。

トランプ米大統領の高関税政策でインフレ高進と景気や雇用情勢の悪化が見込まれる中、「物価安定」と「雇用最大化」という目標達成から「遠ざかる可能性がある」と明言。

「我々の責務は、(関税による)一度限りの物価上昇が持続的なインフレの問題にならない様にすることだ」とし、物価高と雇用悪化が同時に起きれば、FRBの政策運営は困難に直面するが、「物価安定なくしては、長期的な労働市場の強さを達成できない」と訴えております。

また、高関税による不透明感の高まりが歴史的に類例がなく、「持続しかねない」と警戒感を示しました。「不透明感が長引けば、難しい状況になる」と述べ、「米国が構造的にリスクの高い地域となれば、(米国への)投資が圧迫される」との懸念も示しております。

保有資産縮小による「量的引き締め(QT)」については、「止める地点には近づいていない」とし、縮小ペースを緩めながらも続ける意向を明らかにしております。

 

◆FRB高官の発言

・FRBのウォラー理事は4月14日の講演で、トランプ米政権の高関税政策がほぼ現行水準で当面維持されれば、インフレ率は今後数ヶ月で5%近くに達する可能性があると予想。その場合、インフレ再燃よりも景気後退のリスクのほうが懸念されると強調し、「想定よりも速やかで大幅な利下げを支持する」と明言しました。

・NY連銀のウィリアムズ総裁は4月11日の講演で、「金融政策は(高関税政策などの)リスクに対処する上で正しい位置にある」と述べ、利下げを急がない考えを改めて表明しております。

・クリーブランド連銀のハマック総裁は4月16日の講演で、トランプ米政権の高関税政策により、インフレ高進に労働市場の鈍化が伴えば、FRBの金融政策は「若干難しいトレードオフに直面する」と、警戒感を示しました。

・アトランタ連銀のボスティック総裁は4月14日の対談イベントで、トランプ米政権の高関税政策について、製品に税金を掛けることだとした上で、「物価は上昇する可能性がある」と述べております。一方で、「米消費者は予想されているより強靱だ」と指摘。今年の成長率は「1%よりは高く、最大は2.3%だ」とし、昨年(2.4%)成長からは減速すると予想しました。

・ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は4月13日に、CBSテレビとのインタビューで、最近の米国債長期物の金利急上昇に関し、「インフレによるものではない」と明言。その上で、「投資家が他の投資先を探し、皆が米国への投資を望んでいるわけではない可能性がある」との見解を示しました。

・ボストン連銀のコリンズ総裁は4月11日に、英紙フィナンシャル・タイムズとのインタビューで、金融市場で米国債の利回りが急上昇していることに関し、「市場は十分機能し続けており、全般的に流動性への懸念は見られない」との見解を示しました。一方で、FRBは「必要なら、断固として行動する用意がある」と強調しております。

・セントルイス連銀のムサレム総裁は4月11日の講演で、トランプ米政権の高関税政策を背景に、「インフレが短期的に上昇するリスクは高まった」との見方を示しました。その上で、関税による輸入品上昇が他に波及する場合、FRBは対抗する方針を明らかにしております。

 

 

 

 

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