米中小銀の預金残高

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経営不安が高まっている米有力地銀ファースト・リパブリック・バンクは4月24日に発表した2023年1-3月期決算で、預金4割減を主因に純利益が前年同期比33%減の2億6900万ドルだったと発表しました。

マイケル・ロフラー最高経営責任者(CEO)は決算説明会で、「銀行業界の出来事に振り回された7週間だった」と述べております。シリコンバレーバンク(SVB)が3月10日に破綻すると「前例のない預金流出」に見舞われ、3月末時点の預金は昨年末比4割減となったとしております。

米上場地銀の預金シェア7割を占め、4月24日までに決算発表した16行合算で、預貯金は昨年末比5%減少した模様。ただ、FRBが毎週発表している商業銀行全体の預金動向で見ると、中堅・中小行の預金総額は3月下旬に底入れしており、預金流出への懸念は後退しております。

とは言え、FRBの利上げを背景に米銀行の融資判断は厳しくなっており、融資抑制が一段と強まれば、景気をさらに下押しするとの懸念が拡がっております。

なお、FRBが四半期に一度、融資担当者に実施している調査によると、大規模・中堅企業を対象とする貸し出し基準の指数(厳しくするほどプラス)は2023年第1四半期(1-3月)に44.8と、コロナ禍で景気が冷え込んでいた2020年第3四半期(7-9月、71.2)以来の水準まで上昇。コロナ禍を除けば、2009年第1四半期(64.2)以来の高水準に達しております。

 

米銀の貸出態度指数

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