フランスの長期利回り
↓クリックすると拡大します↓
フランスのマクロン大統領は10月10日に、少数与党の内閣総辞職に伴い6日に首相を辞任したルコルニュ氏を再任。12日に新内閣が発足しました。野党が緊急予算協議への支持に政治的転換を要求する中、主要ポストの大半が据え置かれております。ルコルニュ氏は予算を年内に成立させる任務を「義務として受け入れ、成功のため何でもする」とSNSに投稿。「政治危機に終止符を打たねばならない」と強調しました。
◆フランスのルコルニュ首相、年金改革の停止表明
フランスのルコルニュ首相は10月14日に下院で演説し、長期化している政局の混迷打開に向けて、マクロン政権が2023年に強行導入した年金改革の停止を表明。中道左派野党・社会党の要求を受け入れた形となっております。同党は「勝利だ」と歓迎。政権打倒を目指す極右と急進左派が提出した内閣不信任決議案への同調を見送るとしており、同案は否決される公算が大きくなっております。
フランスでは昨夏の総選挙後、マクロン大統領の与党・中道連合が野党の極右、左派と反目。どの陣営も過半数に届かず、不安定な政局が続いております。ルコルニュ氏が左派のうち社会党の協力を維持出来れば、内閣のかじ取りは安定に向かう可能性があるものの、同党は14日に閣議決定された緊縮型予算案に批判的で、今後の行方は依然不透明な情勢。
◆フランス、財政赤字抑制へ緊縮型予算案
フランス財務省は10月14日に、閣議決定された2026年予算案を公表。持ち株会社の内部留保に対する新たな課税などで310億ユーロ規模の財政健全化を推進。欧州連合(EU)基準を大幅に超過した財政赤字をGDP(国内総生産)比4.7%に抑制する緊縮型となっております。予算案は時間の制約から、第2次ルコルニュ内閣が12日に発足する前にまとめられたもの。ルコルニュ首相は14日の下院で定年延長を柱とする年金改革の停止を新たに表明しており、予算案には追って大幅な修正が加えられる見込み。ルコルニュ氏はこれに先立ち、財政赤字の対GDP比率は「5%未満」に抑えるとも発言。予算成立に不可欠な左派政党の協力を仰ぐため、緊縮策を緩和する考えを示唆しております。
7月に当時のバイル内閣が発表した2026年予算編成方針では、440億ユーロ規模の財政健全化策が示され、財政赤字の対GDP比率を2025年の5.4%から4.6%に引き下げる計画でした。ただ、内閣は9月に下院で信任案を否決され、総辞職に追い込まれておりました。
◆フランスの保守・共和党が連立解消
フランスの保守・共和党は10月11日に、ルコルニュ首相が10日に再任されたことを受けて、マクロン大統領を支える与党・中道連合との連立関係を解消すると発表しました。ただ、年内に2026年予算を成立させる重要性は認識しており、第2次ルコルニュ内閣には是々非々で協力するとしております。野党の極右や急進左派が提出する内閣不信任案には同調しない見込み。
※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。