格付け会社ムーディーズは3月25日に、米国の財政力について、財政赤字拡大や債務返済能力の問題から、数年にわたる低下傾向が今後も続くとの見通しを示しました。ムーディーズは米主要格付け会社の中で唯一、米国に最上位格付けの「AAA」を付与しております。
米国の財政健全性は、同社が「トリプルA」の米国債格付けの見通しを「ネガティブ」へと引き下げた2023年11月以降、さらに悪化していると指摘。「非常にポジティブかつ低い確率の経済・金融シナリオであっても、他のトリプルA格付けや高格付けの国債に比べ、債務返済能力は低い」としております。
米国のGDP(国内総生産)に対する債務比率は2025年の約100%から、2035年には約130%に上昇すると予想。債務返済能力はより急速に悪化し、歳入のうち利払いが占める割合は2021年の9%から、2035年には30%に達すると試算しました。
◆連邦政府債務上限、Xデーは7月中旬にも
米シンクタンクの超党派政策センターは3月24日に、米連邦政府の債務残高が7月中旬にも法定上限を突破する可能性が高いという試算を公表しました。債務上限は約36兆ドルで、1月2日に復活。米財務省は1月21日から始めた資金繰りの特別措置を6月27日まで延長しております。与党・共和党の議会指導部は、上限引き上げを含めた法案の早期成立を目指しているものの、調整は難航している模様。
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