ダウ工業株30種平均
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昨晩のダウ工業株30種平均は前営業日比65.11ドル安の38647.10ドルで終了。3営業日続落となりました。
ハイテク株中心のナスダック総合指数やS&P500種株価指数が連日で最高値を更新する中、ダウ工業株30種平均は上値の重い展開が続いております。
5月米雇用統計が労働市場の底堅さを示す内容となり、上昇が一服。5月米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.3%上昇と、伸び率は2ヶ月連続で鈍化。瞬間風速を示す前月比は2022年7月以来、1年10ヶ月ぶりに横ばいとなったことから6月12日に39120.26ドルまで買い進められる場面も見られております。
その後、FRBはFOMC(米連邦公開市場委員会)で、7会合連続で政策金利を据え置くことを決定。声明同時に公表されたFOMCメンバー19人の金利見通し(SEP)で、2024年の利下げ回数見通しが3月時点の3回から1回へ減少したことを受けて、FRBが利下げ転換に慎重になっているとの見方が拡がり、一転して売られる展開になった様です。
ただ、5月米消費者物価指数が予想以上に鈍化したことから、FRBが金融引き締めを緩め易くなるとの見方に加えて、FOMCメンバーが想定する2024年の利下げ回数は年1回となり、一見タカ派な内容に見えるものの、細かく見てみると年2回を予想した参加者は19人中8人と最多であったことから、CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(6月13日時点)を見てみると、市場は引き続き11月米大統領選をはさんで、9月と12月に年2回の利下げを想定している模様。
そのため、AI関連需要の追い風を受けていることに加えて、米長期金利が低下し、相対的な割高感が薄れたハイテク株は買われている様です。一方で、市場予想を下回る経済指標が相次ぐ中、米景気の減速が意識され始めていることから、景気敏感株や消費関連株などは軟調に推移しており、ダウの上値を重くしている模様。
テクニカル的にも、50日平均線でレジスタンスを受け始める中、100日平均線を維持出来ない様だと、再度38000ドル割れを試すことも想定されます。ただ、失業率が4.0%で留まる一方で、インフレ鈍化の兆しが出始めていることから、米経済の失速を避けつつ高インフレを鎮圧するソフトランディング(軟着陸)への期待が改めて高まっており、安値は買い拾われそうです。また、市場の想定より利下げ開始時期は後ずれするものの、2026年までの想定利下げ回数は3月時点と変わっていないため、中長期的に利下げが進むとの期待感が価格を下支えすると見られております。
米主要株価指数の推移(2024年)
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