四半期別 中国GDP
中国国家統計局が7月17日に発表した2023年4-6月期GDP(国内総生産)は、物価変動の影響を除いた実質ベースで前年同期比6.3%増加。前期(4.5%増)から伸びが拡大したものの、昨春に上海市でロックダウン(都市封鎖)が実施された前年の反動が大きいと見られております。市場予想(7.0%増)は下回っております。
2023年1-6月期は5.5%増と、中国政府の成長率目標5%前後を上回って推移しておりますが、前期比で0.8%増にとどまり、前期(2.2%増)から伸びが鈍化。足元の経済活動は低迷しており、景気の先行きには不透明感が強まっております。
中国主要経済指標
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主要経済指標も同時に公表され、6月中国社会消費品小売総額は前年同月比3.1%増と、前月(12.7%増)から急減速。1-6月期では前年同期比8.2%増加。外食などサービス消費が堅調な一方、家電や家具、自動車など耐久財の販売が振るわず。
6月中国工業生産は前年同月比4.4%増加。前月(3.5%増)から加速。1-6月期では前年同期比3.8%増加。需要不足を反映し、パソコンの生産量が大きく落ち込んだほか、建材の生産も伸び悩んでおります。
幅広い投資動向を示す2023年1-6月期中国都市部固定資産投資は前年同期比3.8%増と、1-5月期(4.0%増)からやや減速。
政府が景気の下支え役と位置づけるインフラ投資は7.2%増(1-5月期は7.5%増)、民間の固定資産投資の伸びは0.2%減(1-5月期は0.1%減)でした。また、関連産業を含めてGDPの約3割を不動産が占めておりますが、不動産販売額は7.9%減と、1-5月期(7.2%減)からマイナスが拡大しております。
また、6月中国都市部失業率は5.2%と、前月から変わらず。ただ、25-59歳は4.1%と前月で変わらずだった一方、16~24歳は21.3%と、前月(20.8%)から悪化。過去最高を更新しております。
なお、中国国家発展改革委員会(NDRC)は7月18日に、消費者の購買力が依然として弱い中、消費を回復・拡大させるための政策を遅滞なく導入することを示唆しました。
NDRC高官の金賢東氏は月例記者会見で、中国景気は「不十分な需要、弱い勢い、弱い信頼感」という困難と課題に直面していると指摘。消費者の購買力と消費見通しは相対的に弱く、インフラや消費環境には改善の必要があるとの見方を示しました。その上で、「消費の回復と拡大のための政策を速やかに策定し、コモディティー消費の安定化、自動車・電子機器消費の改善、消費環境の最適化に重点を置き、実用的で効果的な政策を出来るだけ早く実施する」と述べております。また、雇用安定を目指していると述べ、特に若者の雇用を支援する方針を示しております。
中国都市部失業率
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