ダウ工業株30種平均

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昨晩のダウ工業株30種平均線は、前営業日比271.69ドル高の42322.75ドルで終了。

週明け5月12日に急伸。トランプ米大統領が5月8日に、関税措置を巡る英国との交渉で合意に達したと発表。トランプ米政権の関税措置を巡る貿易相手国との交渉で初の合意となったことを受けて、投資家のリスク選好姿勢が強まる中、米国と中国は5月10、11日の両日に、スイスのジュネーブで初の閣僚級協議を開催。ベッセント米財務長官が12日に、米中両国が関税率を115%引き下げて、90日間の交渉期間で合意したと発表。米中対立が緩和に向かうとの期待が拡がる中、4月2日以来の42000ドル台を回復。「相互関税」の詳細が発表された前日の終値(4月2日、42225.32ドル)を上回りました。

翌13日は反落。42507.33ドルまで上昇する場面も見られるも、米医療保険大手ユナイテッドヘルスが、最高経営責任者(CEO)交代と2025年通期業績予想の撤回を発表したことが嫌気されて急落。ダウを押し下げた模様。急ピッチな上昇に対する警戒感に加えて、米長期金が上昇する中、株式の相対的な割高感も意識され始めている様です。テクニカル的に100日・200日平均線でレジスタンスを受け始める中、上昇一服感が出始めております。

米個人投資家協会(AAII)が公表した週報によると、今後6ヶ月の株価見通しに「強気」と答えた割合は5月15日時点で35.9%と、2週連続で上昇。一方で、「弱気」と答えた個人投資家の比率は44.4%と、2週連続で低下。また、恐怖指数とも呼ばれる「VIX指数」は5月15日時点で17.83と、不安心理の高まりを示すとされる節目の20を下回って来ております。

ただ、トランプ米政権の高関税政策を巡る世界経済への先行き懸念は完全に払拭された訳ではなく、当面は一進一退の攻防が続きそうです。前述の100日・200日平均線のレジスタンスが強まる様ですと、41000ドル辺りで推移している50日平均線辺りまで下げて来ることも想定されます。

ただ、MACDの上昇が続く中、押し目は買い拾われそうです。歴史的な高水準に膨らんでいる自社株買いも価格を下支えると見られております。なお、ドイツ銀行によると、S&P500種株価指数の構成企業による新規設定枠は直近3ヶ月で約5000億ドルに達し、連続した3ヶ月の記録としては過去最高額となっている模様。

最後に、米金融大手バンク・オブ・アメリカが5月13日に公表した5月機関投資家調査によると、米国株の保有割合は2023年5月以来、約2年ぶりの低水準に落ち込んだ模様。トランプ米政権の関税政策の先行き不透明感と米景気への懸念から、資金を米国から欧州などほかの地域に移す投資家が多かった様です。

 

 

 

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