NY白金(日足)
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先週のNY白金(中心限月)は、前週比14.1ドル安の907.0ドルで終了となり、3週連続で続落。テクニカル的にMACDが下げ基調を強める中、1月8日に200日平均線、10日に50日平均線割れ。12日に100日平均線も割り込むなど、軟調な地合いが継続。1月17日に昨年12月6日以来の900ドル割れとなり、883.2ドルまで下げる場面も見られております。
ただ、先週も書いた様に、900ドル付近では南アフリカの生産コストが意識され易い上に、中国の買い付け期待も高まり易いことから、安値は買い拾われて反発。翌18日に900ドル台を回復しております。
堅調な米経済指標に加えて、FRB高官からタカ派な発言が目立つ中、FRBによる早期利上げ観測が後退。米長期金利が上昇する中でドル高基調が続いており、相対的にドル建て商品に割高感が意識されている様です。
また、相関性の強い金や同じ白金族であるパラジウムの軟調な値動きも嫌気されている模様。なお、パラジウムは2018年8月下旬以来約5年5ヶ月ぶり安値を付ける場面も見られております。
年初から下げて来た反動で、目先は自律反発の動きも出て来そうですが、上値の重たさが意識され始める中、50日平均線辺りでは戻り売り圧力が強そうです。一方で、南アフリカが夏本番となり、季節的に同国の電力不足に伴う供給懸念が意識され易い時期であるため、押し目は引き続き買い拾われることが想定されます。
なお、先週は中国の主要経済指標の発表が注目されましたが、2023年中国実質GDP(国内総生産)は前年比5.2%増となり、政府目標の「5%前後」を達成。ただ、「ゼロコロナ」政策で景気が低迷した前年からの反動増が大きかったと見られている上に、市場予想に届かず。
世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で、中国の李強首相は景気の先行きにも自信を見せたものの、昨年12月中国製造業PMIが好調・不調の境目である50を3ヶ月連続で割り込むなど、景気回復の実感は乏しいのが現状。景気が冷え込む中で需要が低迷し、デフレ懸念も強まっており、需要が急回復するのは難しいと見られております。
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