NY白金(日足)
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先週のNY白金(中心限月)は、前週比16.3ドル安の919.8ドルで終了となり、続落。FRBの利上げ局面が終了したとの見方が拡がり、来年半ば頃の利下げ観測が高まる中、米長期金利が低下。主要通貨に対してドル安が進み、相対的にドル建て商品に割安感が生じる中、11月28日に終値ベースでは9月1日以来となる950ドル台を回復。ただ、4月21日の高値1148.9ドルから11月10日の安値843.1ドルの下げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の38.2%戻し水準959.9ドルや200日平均線を上抜くことが出来ず、改めて上値の重さが意識され始めて、戻り売りの展開に。
金相場が史上最高値を更新する中、白金は逆相関の動きとなりました。11月ISM米製造業景況指数が、好不況の分かれ目となる50を13ヶ月連続で下回るなど、インフレ鈍化の兆しと共に米景気の減速懸念が出始めていることに加えて、格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスが中国の信用格付けの見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたため、米中の景気減速懸念が強まったことが嫌気された様です。12月6日に一時890.4ドルまで下げるなど、11月14日以来の900ドル割れとなりました。
ただ、翌7日は急反発となり、900ドル台を回復。11月米雇用統計の内容が、利下げ期待を後退させるほど強くなく、景気後退の懸念を誘う弱さでもない程度の内容となり、「ゴルディロックス(適温相場)」が継続するとの期待が高まったため、8日に929.8ドルまで買い進められる場面も見られております。英鉱業大手アングロ・アメリカンが設備投資を削減することを発表。白金鉱山も対象に入ったため、採算コストを意識した買いも入った様です。
目先は、50日平均線を維持出来るか注目されますが、今週は「中銀ウィーク」となるため、様子見ムードが強まりそうです。上値の重い展開が続きそうな一方、白金業界団体「ワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)」によると、2024年の白金需給は11.0トンの供給不足となり、2年連続で供給不足となる見通しであることから、900ドル付近では引き続き実需を中心に買い拾われることが想定されます。テクニカル的には、「逆三尊」型が形成されて行くか注目されます。
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