NY白金(日足)
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先週のNY白金(中心限月)は、前週比3.9ドル安の909.6ドルで終了となり、反落。
2月9日に873.3ドルまで下げて、年初来安値を更新するも、南アフリカの生産コストが意識されて、安値は買い拾われる中、2月15日に7営業日ぶりに900ドル台を回復。その後、2月20日に921.7ドルまで上昇する場面も見られるも、100日平均線がレジスタンスとして意識された様で、一段高とはならず。同じ白金族のパラジウムが急落したことが嫌気されて、翌21日は大幅安となり、再度900ドルを割り込むも、引き続き押し目買いは強く、翌22日に900ドル台に切り返しております。
先週お伝えした様に、南アフリカの白金生産大手アングロ・アメリカン・プラチナム(アムプラッツ)は2月19日に、国内事業で約3700人の人員削減する事業再編計画を発表しましたが、相場への影響は軽微だった様です。
とは言え、アムプラッツのリストラ計画は現在のPGM価格では採算性が合わないことが要因で、ここ数年の様に白金以外のPGM価格の高騰が期待できない中、仮に900ドル割れが定着する様な事態になれば、一段と生産調整が強まるとの見方が拡がっております。そのため、引き続き900ドル付近では採算コストを意識した買いが入りそうです。
また、NY白金(中心限月)とNYパラジウム(中心限月)の鞘は2月23日時点で78.90ドルの逆ザヤとなるなど、再び逆ザヤが拡大し始めており、相対的な白金の割安感が意識され易くなっております。米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、大口投機家はパラジウムを大幅に売り越しており、今後ショート・カバー(買い戻し)でパラジウムが反転に転じる様ですと、白金もつられ高になる可能性がありそうです。
それに加えて、白金ETFである「ETFセキュリティ・グループ」の白金保有残高が、増加傾向にあるなど、実需の買いも出始めております。新規材料待ちで上値は重い様に見えますが、目先は底値を固められるか注目されます。
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