NY白金(日足)

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先週のNY白金(中心限月)は、前週比26.8ドル高の914.8ドルで終了となり、3週ぶりに反発に転じております。

上値の重い展開が続く中で2月9日の安値873.3ドルを割り込み、3月1日に一時870.1ドルまで下げて年初来安値を更新。ただ、金相場が終値ベースの最高値を塗り替えるなど急伸したことから、白金の相対的な割安感が意識されて買い拾われた様です。一部の白金鉱山会社がリストラに着手し始める中、引き続き南アフリカの産金コストも意識された模様。なお、南アフリカの白金族生産大手ノーサム・プラチナ・ホールディングスのダン最高経営責任者(CEO)は3月1日に、白金相場の急落を受けて、同国の複数の白金採鉱企業が過去30年で最悪の危機にさらされているとの見方を示しております。

その後は、900ドルを挟んだ揉み合いが続いていたものの、金の騰勢が続く中、3月6日に急伸となり、翌7日も続伸。8日に一時931.8ドルまで買い進められる場面も見られるも、切り下がって来ている200日平均線を上抜くことが出来ず。

改めて上値の重さが意識される中、戻り売りを浴びた様です。とは言え、MACDがゴールデン・クロスとなっただけに、引き続き200日平均線超えを試す動きが続きそうです。

なお、パラジウム相場は3月7日に1月5日以来の1000ドル台を回復するなど、反発場面が続いております。米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、大口投機家のNYパラジウムのネット・ロングは3月5日時点でマイナス1万2597枚。2年以上売り越しが続いているものの、電気自動車(EV)の生産拡大が鈍化し始める一方、ハイブリッド車(HV)などを見直す動きが出始める中、ショート・カバー(買い戻し)が入り始めている模様。

NY白金(中心限月)とNYパラジウム(中心限月)の鞘は3月8日時点で110.50ドルの逆ザヤ。再び逆ザヤが拡大する中、相対的な白金の割安感が意識されそうです。

最後に、白金業界団体「ワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)」が公表した最新の需給レポートによると、2024年の世界白金需給は13.0トンの供給不足となり、2年連続で供給不足となる見通し。WPICは2023年は大幅な供給不足にも関わらず、自動車メーカが積み上げてきた在庫が取り崩されたため、需給のタイト感は強まらなかった模様。ただ、在庫調整は最終段階に入っており、現物需給が引き締まる可能性があるとしております。

 

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