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先週のNY白金(中心限月)は、前週比63.1ドル安の914.6ドルで終了。3週連続で下落となりました。

4月1日から4日まで4営業日続落中。相関性の強い金相場の上昇が続く中で買い進められて、4月1日に1031.5ドルまで上昇する場面も見られたものの、直近高値1036.3ドル(3月18日)を上抜くことが出来ず。トランプ米政権による「相互関税」の発表を控えたポジション調整の動きに加えて、3月ISM米製造業景況感指数が3ヶ月ぶりに節目の50を割り込み、米景気の減速懸念が拡がる中、戻り売りを浴びた様です。

トランプ米大統領が発表した「相互関税」が市場の想定以上に厳しい内容になったことを受けて、投資家のリスクオフ姿勢が強まる中、3、4日は大幅続落。昨年12月31日を起点としたアップ・トレンドを形成することが出来ずに、心理的節目の950ドルを割り込むと、下げ幅を拡大。2月28日の安値936.7ドルも割り込み、4日に910.7ドルまで下げるなど、年初来安値を更新。週明けの時間外取引では878.3ドルまで下げて、昨年末以来の900ドル割れとなる場面も見られております。

トランプ米政権は4月3日に自動車関税も発動。自動車触媒向け需要が鈍化するとの懸念が出始めております。また、トランプ米政権の「相互関税」を巡り、中国が報復措置を発表するなど、米国と各国の間で互いに関税を掛け合う「貿易戦争」が激化し、世界景気が後退するとの警戒感が拡がる中、しばらくは上値の重い展開が続きそうです。テクニカル的にも、MACDがデッド・クロスとなる中、反発場面では戻り売り圧力が強いことが想定されます。

世界の主要市場で株価が急落する中、世界景気の先行き不透明感が依然払しょくされておらず、買いが入りにくい地合いが続きそうです。とは言え、白金業界団体「ワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)」が最新の需給レポートで、2025年の世界白金需給は26.4トンの供給不足とし、3年連続で供給不足になるとの見方を示していることや、900ドル台半ばでは南アフリカの生産コストが意識され易い中、市場が落ち着きを取り戻すと共に、白金相場の相対的な割安感が意識されて、安値を買い拾う動きが出て来そうです。

 

 

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