NY白金(日足)
↓クリックすると拡大します↓
NY白金(中心限月)は、前週比9.3ドル高の1012.8ドルで終了。3週ぶりに反発に転じております。6月1日に997.4ドルまで下げる場面も見られたものの、世界最大の白金生産国である南アフリカからの供給懸念が意識される中、突っ込み売り警戒感が台頭。売り方のショートカバー(買い戻し)を中心に買い拾われる中、1000ドル台を回復。6月7日に一時1051.8ドルを付ける場面も見られております。
ただ、5月中国製造業PMIが3ヶ月続で低下となり、節目の50を2ヶ月連続で下回ったのに続いて、5月中国貿易統計(ドル建て)で、輸出は前年同月比7.5%減と、3ヶ月ぶりにマイナスに転じ、輸入も4.5%減と3ヶ月連続でマイナスとなったことから、改めて中国で新型コロナウイルスを封じ込める「ゼロコロナ」政策の終了による景気回復に息切れ感が意識され、一段高とはならず。
6月13、14日の両日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を控える中、相関性の高い金相場が狭いレンジ内の動きに留まっていることも、上値を重くしている模様。
市場では来週のFOMCでFRBは利上げを見送るとの見方が多くなっておりますが、FRBは今後の金融政策の方針を経済データ次第という姿勢を崩しておらず、仮に6月の利上げが見送られても、インフレ抑制のために7月に利上げを再開するとの見方は依然根強い様です。FOMCメンバーの金利見通しである「ドッド・チャート」や声明公表後のパウエル議長の会見で、今後の米金融政策の不確実性が弱まるかが焦点となりそうです。
テクニカル的には、3月7日を起点としたアップ・トレンドを維持出来るか注目されますが、50日平均線でレジスタンスを受ける一方で、1000ドルを割り込む辺りでは200日平均線がサポート・ラインとして意識され始めている様に見えるだけに、少なくともFOMCまでは1000-1050ドルのレンジが想定されます。
また、今週は6月15日に中国の主要経済指標が発表されます。複数の中国国有大手銀行は6月8日に、預金金利を引き下げましたが、景気の減速を示唆する内容となる様だと、中国人民銀行(中央銀行)の追加利下げ観測が高まりそうです。
※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。