NY白金(日足)

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NY白金(中心限月)は、前週比28.5ドル安の943.7ドルで終了。2週連続で下落となりました。

7月18日に一時1003.7ドルを付けて、1000ドル台に乗せる場面も見られたものの、50日・100日・200日などの主要平均線が集中している価格帯を上抜くことが出来ず。「中銀ウィーク」で様子見ムードが強まる中、切り下がって来ている50日平均線でレジスタンスを受けて、上値の重い展開が継続。

注目されたFOMC(米連邦公開市場委員会)は、ほぼ市場の想定通りの内容となり、イベントを通過した安心感から買われる場面も見られたものの、7月27日に急落。翌28日には一時935.0ドルまで下げる場面も見られております。

2023年4-6月期米実質GDP(国内総生産)速報値が季節調整済み年率換算で前期比2.4%増となり、伸びは前期(2.0%増)から拡大。4四半期連続でプラス成長となり、米景気が依然として堅調さを維持していることが示され、FRBによる利上げ停止観測がやや後退し、米長期金利が上昇。金が急落する中、相関性の高い白金も売られる展開となっております。

なお、先週も中国共産党が中央政治局会議を開き、不動産政策の最適化、内需拡大、地方特別債発行の加速を表明。中国政府は小刻みに景気対策を打ち出しているものの、財政面の制約から大規模な景気対策は打ち出されておらず、具体的な内容も示されず。

中国政府が具体的な景気刺激策を打ち出せば、市場の雰囲気が一変する可能性もありそうですが、テクニカル的にはMACDがデッド・クロスとなる中、一目均衡表の雲もしばらく切り下がって行くため、上値の重い展開が続きそうです。また、前述の様に50日平均線でレジスタンスを受けており、6月30日の安値884.0ドルから7月18日の高値1003.7ドルの上げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の61.8%押し水準929.7ドル辺りまで下げて来ることも想定されます。

ただ、何度か書いている様に、900ドル付近では、電力不足に伴う南アフリカからの供給懸念が意識されている上に、中国勢の買い付け期待が価格を下支えすると見られております。なお、中国では7月1日から自動車排出ガス規制が強化されております。

 

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