NY金(中心限月、日足)
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先週のNY金(中心限月)は、前週末比1.8ドル高の2051.6ドルで終了となり、反発。昨年12月28日に2098.2ドルを付けるも、年明け以降は軟調な地合いが継続。1月3日に公表された昨年12月開催のFOMC議事要旨に加えて、昨年12月米雇用統計で米労働市場の底堅さが再確認されたため、FRBによる早期利下げ観測がやや後退。米長期金利が上昇し、金利を生まない資産である金を手放す動きが続く中、昨年12月米消費者物価指数(CPI)がインフレの根強さを示唆する内容だったことから1月11日に2017.3ドルまで下げる場面も見られております。
50日平均線を割り込むも、中東の「地政学リスク」に対する懸念が強まる中、1月12日は急反発。2050ドル台を回復しております。イスラム組織ハマスを支持するフーシ派は昨年11月以降、ガザ地区への侵攻に対抗し、紅海周辺でイスラエル関連の商船への攻撃を繰り返す中、米国などが護衛作戦を展開。それに対抗してイランが紅海に駆逐艦を派遣。また、米英軍がイエメンの親イラン武装組織フーシ派の拠点を攻撃し、地政学的な緊張が高まっております。
NYタイムズがイラン最高指導者ハメネイ師が米国との直接的な軍事衝突を避ける様に指示したと報じるなど、米国とイランが直接戦火を交える可能性は依然低いと見られておりますが、偶発的衝突の可能性は排除出来ず。有事の金買いが意識されやすい局面となっております。
中東の「地政学リスク」や値ごろ感が下値を支える一方で、FRBによる早期利下げ観測がやや後退する中、米長期金利は4%近辺で推移しているため、上値が重くなっております。世界最大の金ETFであるSPDRゴールドの金保有残高が減少し始めるなど、年初でファンドのリバランスの動きが活発化している模様。
また、米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、大口投機家のNY金のネット・ロングは1月9日時点で18万8614枚。現状では20万枚を超えると利喰いが出易く、上値を抑えると見られていることから、しばらくは2000-2050ドルのレンジが続きそうです。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は1月12日時点で前週末比5.76トン減少の863.84トンと、2週連続で減少。
一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.12トン減少の394.75トンと、3週連続で減少。
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