NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比52.0ドル高の1921.7ドルで終了となり、4週連続で上昇。FRBが利上げペースを緩めるとの見方から、「金利を生まない資産」である金に見直し買いが入り、1月13日に、終値ベースでは昨年4月29日以来の1900ドル台に乗せております。

米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した昨年12月米製造業景況指数は48.4と、2020年5月(43.5)以来2年7ヶ月ぶり低水準。米非製造業景況指数も49.6と、2020年5月以来の50割れとなるなど、米経済指標の悪化が目立ち始めております。

また、昨年12月米雇用統計で、平均時給は前年同月比4.6%上昇と、前月(4.8%上昇)から伸びが鈍化。前月比でも0.3%上昇と、前月(0.4%上昇)を下回りました。昨年12月米消費者物価指数(CPI)も、前年同月比6.5%上昇と、伸び率は2021年10月以来1年2ヶ月ぶりの低水準となり、6ヶ月連続で鈍化。前月比でも0.1%低下し、2020年5月以来のマイナスとなっております。

FRBの目標である「2%」から見れば、依然として高すぎる水準ではあるものの、インフレは峠を越えたとの見方が拡がり始めております。そのため、CMEが公表している「Fedウォッチ」(1月12日時点)によると、1月31日、2月1日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)で、FRBが0.25%の利上げを行うとの見方は93.2%(先週末は75.7%)まで上昇。0.50%の利上げを行うとの見方は6.8%(同24.3%)に留まっており、市場では利上げ幅が0.25%に縮小するとの見方がコンセンサスになりつつある様です。

とは言え、1900ドル台に乗せた達成感や、年明け以降9営業日で既に95ドル近く上昇していることもあり、目先は買い方の利喰い売りが出てきそうです。

世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高が年明け以降、やや減少気味で実需が追い付いていないことも懸念されつつあります。

ただ、世界景気の景気後退(リセッション)が意識され始める中、米中関係やウクライナ、イランを巡る「地政学リスク」への懸念に加えて、「ねじれ議会」となった米政局の混乱も懸念され始めており、押した場面では引き続き「安全資産」として買い拾わることが想定されます。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は1月13日時点で前週末比4.64トン減少の912.14トンでした。減少は2週連続。

一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.59トン増加の450.76トンと、2週連続で増加しております。

 

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