NY金(中心限月、日足)
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先週のNY金(中心限月)は、前週末比22.3ドル安の2029.3ドルで終了となり、反落。
米英両軍が紅海で商船攻撃を繰り返すイエメンの親イラン武装組織フーシ派の拠点を空爆したことを受けて、中東の「地政学リスク」が高まる中、「安全資産」として買い進められて1月12日に2067.3ドルを付けるも、FRBの早期利下げ観測が後退する中、買いが続かず。
FRBのウォラー理事が早期の利下げ転換に慎重な考えを示し、米長期金利が4%台に急上昇。金利を生まない資産である金の投資妙味を弱めた様です。1月17日に50日平均線を割り込み、2004.6ドルまで下げる場面も見られております。早期利下げ観測は、元を辿ればウォラー理事が昨年11月に早期利下げシナリオに言及したことで強まった経緯があります。
その後も、FRBはベージュブックで、経済活動は大多数の地区で「ほぼ横ばい」との見方を示しました。また、昨年12月米小売売上高は前月比0.6%増と市場予想(0.4%増)を上回り、昨年12月米鉱工業生産も市場の低下予想に反して、前月比0.1%増となるなど、堅調な内容の米経済指標が相次いだ上に、シカゴ連銀のグールズビー総裁がインフレ率が順調に2%に向かうまでFRBは利下げに踏み切らないとの見方を示したほか、サンフランシスコ連銀のデイリー総裁も、利下げは時期尚早と発言するなど、複数のFRB高官からのタカ派な発言もあり、FRBが3月にも利下げを始めるとの観測が後退し始めております。
CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(1月19日時点)によると、3月のFOMCでFRBが利下げを開始するとの見方は46.2%と、先週末(76.9%)から急低下しております。
19日に50日平均線を上回り、2041.9ドルまで買い進められる場面も見られたものの、MACDも下げ基調が続いており、戻り売りを浴び易い地合いとなっております。中東情勢が一段と悪化する様だと、急騰するシナリオも考えられますが、ドル指数が1ヶ月ぶり高値を回復する中、今週も引き続き上値の重い展開が続きそうです。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は1月19日時点で前週末比2.89トン減少の860.95トンと、3週連続で減少。
世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.70トン減少の394.05トンと、4週連続で減少。
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