NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比6.5ドル高の1928.2ドルで終了となり、5週連続で上昇。1月13日に昨年4月29月の1900ドル台を回復。その後も1900ドル台を維持する中、1月20日に一時1939.0ドルを付ける場面も見られております。

昨年12月米小売売上高は年末商戦期にもかかわらず、前月比1.1%減と市場予想を下回り、2ヶ月連続でマイナス。昨年12月米鉱工業生産も前月比0.7%低下し、市場予想(0.1%低下)を上回る落ち込みとなるなど、冴えない米経済指標の発表が続いております。また、米連邦政府の債務が1月19日に法定上限を突破。「ねじれ議会」で与野党の隔たりが大きい中、市場の一部で米国のデフォルト(債務不履行)リスクが意識され始めており、「安全資産」として買う動きが強まっている様です。

それに加えて、昨年12月米消費者物価指数(CPI)に続き、昨年12月米卸売物価指数(PPI)も前年同月比6.2%上昇と、伸びが前月(7.3%上昇)から低下。インフレ鈍化を受けて、FRBが次回と3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.25%利上げをした後、利上げを停止するとの見方が再び拡がり始めております。そのため、米10年物利回りが3.5%を下回り、昨年9月中旬以来の低水準となる中、「金利を生まない資産」である金に投資妙味が生じている模様。

なお、CMEが公表している「Fedウォッチ」(1月20日時点)によると、1月31日、2月1日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)で、FRBが0.25%の利上げを行うとの見方は99.8%(先週末は93.7%)となっており、市場では利上げ幅が0.25%へ縮小するとの見方がコンセンサスになりつつあります。なお、ブレイナードFRB副議長やウォラーFRB理事は講演で、利上げ幅を0.25%へ縮小する可能性を示唆しております。

米金融大手ゴールドマン・サックスが2023年の金相場は1950ドル前後で推移すると予想している様に、先高感が強まっております。目先は、昨年末からの急ピッチな上昇に対するスピード調整をこなす必要がありそうですが、金融市場に先行き不透明感が強まる中、押し目は買い拾われそうです。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は1月20日時点で前週末比4.92トン増加の917.06トンと、3週ぶりに増加に転じました。

また、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比1.30トン増加の452.06トンと、3週連続で増加しております。

 

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