NY金(中心限月、日足)
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先週のNY金(中心限月)は、前週末比96.3ドル高の1941.5ドルで終了。4週ぶりに反発に転じております。
9月米雇用統計で、景気動向を敏感に反映する非農業部門就業者数は前月比33.6万人増と、前月(改定値、22.7万人増)から大幅に増加。市場予想(17.0万人増)も上回り、雇用情勢の堅調さが示されたことから、一時1823.5ドルまで下げる場面も見られたものの、失業率は3.8%と前月と変わらず(市場予想は3.7%)で、平均時給は前年同月比4.2%増と、前月(4.3%増)から伸びが鈍化したことから、米長期金利の上昇が鈍化。テクニカル的にも、相対力指数(RSI)が30%を割り込み、売られ過ぎ感が意識され始めていたため、売り方のショート・カバー(買い戻し)を中心に買い拾われる展開となった様です。
その後も、イスラム組織ハマスとイスラエルとの戦闘で、パレスチナ自治区ガザとイスラエルの双方に多数の死者が出る緊迫した事態となり、中東の「地政学リスク」が意識される中、「安全資産」として買い進められて1850ドル台を回復。複数のFRB高官のハト派な発言を受けて、米長期金利の上昇が一服する中、相対的なドル建て商品の割高感が薄れたことで、見直し買いも入った様です。9月米消費者物価指数が市場予想よりもやや強い内容となり、米長期金利が上昇したため、売られる場面も見られたものの、イスラエルとイスラム組織ハマスの軍事衝突が激化する中、改めて中東の「地政学リスク」が意識されて急伸。50日平均線に次いで、200日・100日平均線を上抜き、一時1946.2ドルを付ける場面も見られております。テクニカル的にもMACDがゴールデン・クロスとなったことが好感された模様。
今週も引き続き、中東情勢を見ながらの展開となりそうですが、目先は200日平均線を維持しつつ、5月4日の高値2085.4ドルから10月6日の安値1823.5ドルの下げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の半値戻し水準1954.5ドルを上抜くことが出来るか注目されます。上抜く様ですと、61.8%戻し水準1985.4を意識した動きになって行きそうです。
なお、10月21日からFRBは「ブラックアウト」期間に入りますが、その直前の19日にパウエルFRB議長の講演が予定されております。中東の「地政学リスク」が高まる中、11月のFOMC(米連邦公開市場委員会)も金利は据え置かれるとの見方が多くなっておりますが、パウエル議長からハト派な発言が出るか注目されます。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は10月13日時点で前週末比11.27トン減少の862.37トンと、6週連続で減少しております。
世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比5.45トン減少の406.51トンと、12週連続で減少。
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