NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比7.4ドル高の1656.3ドルで終了。上値の重い展開が継続する中、10月19日に急落となり、翌21日には1626.3ドルまで下げる場面も見られております。

金融政策を占う様な重要な米経済の発表は無かったものの、タカ派な発言が目立ったFRB 高官のコメントに加えて、最近の米インフレ指標の高止まりを受けて、改めてFRBが大幅利上げを継続するとの懸念が拡がる中、米長期金利が上昇。リーマン・ショック直前の2008年7月以来、14年ぶりの水準を付けたため、ドルを買う動きが強まり、相対的にドル建て商品に割高感が生じた様です。

世界最大の金ETFであるSPDRゴールドの金保有残高も再び減少が続く中、連日で年初来の最低水準を更新しております。

ただ、11月1、2日の両日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を控える中、10月22日から「ブラックアウト期間」となり、関係者が対外発信を控える期間となりますが、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが、数人のFRB高官が利上げ減速や来年早々の利上げ停止を求めていることから、「FRBは11月のFOMCで、その次の12月会合で利上げを減速するかどうか協議する」と報じたため、FRBが利上げペースを減速させるとの観測が浮上。見直し買いが入る中、1650ドル台を回復しております。

とは言え、FRBのターミナルレート(利上げの着地点)が見えない中、「金利を生まない資産」である金は買われづらくなっており、上値の重い展開が続きそうです。

一方で、1600ドル台前半では世界景気の減速懸念やウクライナ情勢の緊迫化が強まっていることから、「安全資産」として買い拾われ易くなっており、今週は1650ドルを挟んだ狭いレンジの動きが想定されます。

なお、既報通り9月スイス金輸出量(速報値)は前年同月(117.37トン)比48.4%増加の174.19トンで、3ヶ月連続でプラスとなりました。

国別で見ると、中国やインドは前月を上回り、トルコやタイは今年最高を更新するなど、価格の急落を受けて需要が増加した模様。なお、インドは10月24日は「ディワリ(光の祭典)」でした。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は10月21日時点で前週末比13.03トン減少の928.10トンで、2週連続で減少となりました。

世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比13.34トン減少の461.73トンと、8週連続で減少しております。

 

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