NY金(中心限月、日足)
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先週のNY金(中心限月)は、前週末比20.9ドル安の1845.2ドルで終了。3週連続で下落となっております。
米長期金利の上昇に伴い、ドル独歩高が続く中、ドル建て商品に相対的な割高感が生じる中、9月27日に3月10日以来の1900ドル割れとなるなど、9月25日から10月5日まで9営業日続落。
FRB高官のタカ派な発言に加えて、8月米雇用動態調査(JOLTS)で、非農業部門求人数が前月比69.0万件増の961.0万件と、4ヶ月ぶりに増加。市場予想(890.0万件)も上回るなど、FRBによる金融引き締めが続く中でも、堅調な雇用情勢が示されたことを受けて、FRBが政策金利を「より高く、より長く維持する(Higher for Longer)」との観測が一段と拡大。「金利を生まない資産」である金を手放す動きが継続し、10月2日に昨年11月3日の安値1618.3ドルから今年5月4日の高値2085.4ドルの上げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の半値押し水準1851.9ドルも割り込んでおります。
9月米雇用統計(季節調整済み)で、景気動向を敏感に反映する非農業部門就業者数は前月比33.6万人増と、前月(改定値、22.7万人増)から大幅に増加。市場予想(17.0万人増)も上回り、雇用情勢の堅調さが示されたことから、一時1823.5ドルまで下げる場面も見られたものの、失業率は3.8%と前月と変わらず(市場予想は3.7%)で、平均時給は前年同月比4.2%増と、前月(4.3%増)から伸びが鈍化したことから、米長期金利の上昇が鈍化。そのため、安値は買い拾われております。テクニカル的にも、相対力指数(RSI)が30%を割り込み、売られ過ぎ感が意識され始めていたため、売り方のショート・カバー(買い戻し)を中心に買い拾われた様です。
その後も、イスラム組織ハマスとイスラエルとの戦闘で、パレスチナ自治区ガザとイスラエルの双方に多数の死者が出る緊迫した事態となり、中東の「地政学リスク」が意識される中、「安全資産」として買われた様で、一時1877.3ドルまで買い進められる場面も見られております。MACDが下げ止まる中、1900ドル台に戻せるかが焦点となりそうです。
引き続き、中東の「地政学リスク」に注目が集まりそうですが、今週はFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨(9月19、20日開催分)や9月米消費者物価指数(CPI)の発表も注目されそうです。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は10月6日時点で前週末比7.79トン減少の865.85トンと、5週連続で減少しております。
世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比2.98トン減少の408.98トンと、11週連続で減少。
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