NY金(中心限月、日足)

↓クリックすると拡大します↓

 

・WGCの需給レポートはこちら

・金の地上在庫はこちら

・公的機関の金準備はこちら

・中国の金準備はこちら

・中国の金輸入量はこちら

・スイスの金輸出量はこちら

先週のNY金(中心限月)は、前週末比54.4ドル安の2694.8ドルで終了。2週連続で下落。

10月30日に史上初めて2800ドル台に乗せたものの、翌10月31日は急落。高値調整場面が続く中、米大統領選挙で共和党候補のトランプ前大統領が勝利したことを受けて、11月6日に再度急落。10月16日以来の2700ドル割れとなりました。翌7日に2660.7ドルまで下げる場面もみられるも、50日平均線がサポート・ラインとして意識される中で反発。ただ、8日は反落となりました。

財政拡張的な政策を掲げるトランプ氏が大統領に返り咲けば、財政悪化懸念やインフレ圧力が強まるとの見方から米長期金利が上昇する中、ドル高が進行したため、相対的にドル建て商品に割高感が生じたことが嫌気された模様。また、ハリス氏とトランプ氏の支持率は拮抗しており、混戦が予想されていたものの、ふたを開けてみればトランプ氏が圧勝。連邦議会選でも共和党が上院を奪還。下院は大接戦となっているが、「トリプル・レッド」を予想する向きも多く、米政局の不透明感が後退したため、買い方の利喰い売りに押された様です。

11月6、7日の両日に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)で、FRBは2会合連続で利下げを決定しましたが、トランプ氏の掲げる高関税や減税、拡張的な財政政策がインフレを再燃させ、来年以降の利下げペースが市場の想定よりも緩やかになるとの見方が出始める中、上値の重い展開が続くとの見方が拡がっております。

テクニカル的もMACDが下げ基調を強める中、引き続き50日平均線を維持出来るかが焦点となりそうです。割り込む様ですと、5月3日の安値2285.2ドルから10月30日の高値2801.8ドルの上げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の38.2%押し水準2604.5ドル辺りまで下げて来ることも想定されます。

ただ、米国の「政治リスク」は後退しつつあるものの、トランプ氏の積極財政政策下で財政赤字が拡大するとの見方は根強い様です。また、第2次トランプ政権下ではイランへの制裁が強化されるとの見方や、イスラエル政府が強硬姿勢を強めるとの見方から、中東情勢が一段と悪化すると懸念が強まっており、安値は引き続き「安全資産」として買い拾われることが想定されます。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

↓クリックすると拡大します↓

 

最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は11月8日時点で前週末比11.78トン減の876.85トンと、2週連続で減少。

一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.08トン減少の380.84トンと、12週ぶりに減少に転じております。

 

※豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。銘柄の選択、売買価格など投資にかかる最終決定は弊社の重要事項説明書を十分にお読み頂き、投資家自身の判断でなさる様にお願い致します。本資料作成につきましては細心の注意を払っておりますが、その正確性については保証するものではなく、万一その内容に誤りがあった場合、その誤りに基づく障害については当社は一切の責任を負いかねます。