NY金(中心限月、日足)
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先週のNY金(中心限月)は、前週末比124.7ドル安の2570.1ドルで終了。3週連続で下落。
高値調整場面が続き、11月8日から15日まで6営業日続落中。米政局の不透明感が後退したことに加えて、財政拡張的な政策を掲げるトランプ氏が大統領に返り咲けば、財政悪化懸念やインフレ圧力が強まるとの見方から米長期金利が上昇する中、ドル高が進行。相対的にドル建て商品に割高感が生じる中、11日に50日平均線を割り込み、13日に9月18日以来の2600ドル割れとなりました。14日に2541.5ドルまで下げる場面もみられております。
パウエルFRB議長が11月14日の講演で、堅調な米景気を踏まえれば「利下げを急ぐ必要はない」と明言し、市場の利下げ期待が後退したことも嫌気された様です。また、トランプ次期大統領の政策への期待から、金よりもビットコインを選好する動きもある模様。
相対力指数(RSI)が30%前後まで低下するなど、テクニカル的に売られ過ぎ感が強まる中、買い拾う動きも出始めている様ですが、MACDが下げ基調を強める中、今週は100日平均線をサポートに2550ドルを維持出来るかが焦点となりそうです。
割り込む様ですと、5月3日の安値2285.2ドルから10月30日の高値2801.8ドルの上げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の半値押し水準2543.5ドル割れを再度試すことも想定されます。
ただ、米国の「政治リスク」は後退しつつあるものの、トランプ氏の積極財政政策下で財政赤字が拡大するとの見方が多い上に、第2次トランプ政権下ではイランへの制裁が強化されるとの見方や、イスラエル政府が強硬姿勢を強めるとの見方から、中東情勢が一段と悪化すると懸念も強まっております。また、中長期的には上昇トレンドが続くとの見方は依然多い様です。直近の急落を受けて、高値で買い控えていた実需の動きが活発化するか注目されます。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は11月15日時点で前週末比6.92トン減の869.93トンと、3週連続で減少。
一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比9.02トン増加の389.86トンと、増加に転じており、SPDRゴールドの残高減少は、トランプ次期大統領の政策を考慮した「トランプ・トレード」の活発化に伴う、リバランスの動きとの見方が出ております。
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