NY金(中心限月、日足)
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先週のNY金(中心限月)は、前週末比15.0ドル安の1754.4ドルで終了。3週ぶりに下落に転じました。
FRBが利上げペースを鈍化させるとの見方が拡がる中、ドル高が一服。ユーロ高ドル安となり、相対的にドル建て商品に割安感が生じる中で見直し買いが入る中、ポーランドにミサイルが着弾し、2人死亡したことを受けて「地政学リスク」が意識されて、11月15日に1791.8ドルまで買い進められる場面も見られております。
ただ、急ピッチな上昇に対する警戒感が高まる中、その後は買い方の利喰い売りが先行。タカ派なFRB高官の発言を受けて、ドルが主要通貨に対して反発し始めたこともあり、18日に1749.2ドルまで下げる場面も見られております。
Fedウォッチ
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CMEが公表している「Fedウォッチ」(11月18日時点)によると、12月のFOMCでFRBが0.50%の利上げを行うとの見方は75.8%(11月11日時点は80.6%)、0.75%の利上げを行うとの見方は24.2%(11月11非時点は19.4%)で、先週から0.50%を見込む割合はやや低下したものの、依然として利上げペースが緩むとの見方は多い様です。
ただ、後述の様に、世界最大の金ETFであるSPDRゴールドの金保有残高は減少に歯止めが掛かっておらず、市場が半信半疑であることがうかがえます。今後も、市場で楽観的な見方が強まる様だと、FRB高官からタカ派な発言が出て来そうなだけに、1800ドル付近では上値の重い展開が想定されます。
目先は、節目の1750ドルを維持出来るか注目されます。割り込む様だと、短期的に11月3日の安値1618.3ドルから11月15日の高値1791.8ドルの上げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の38.2%押し水準1725.5ドル辺りまで下げる可能性がありそうです。
ただ、ウクライナ情勢の緊迫化が続いていることに加えて、大手取引所FTXグローバルの経営破綻をきっかけとする暗号資産(仮想通貨)市場の混乱が続く中、安値はアジア勢を中心に買い拾われることが想定されます。
今週は週末に感謝祭を控えて、取引参加者が少なくなりそうで、ボラティリティの大きい動きも想定されます。
引き続き、FRB高官の発言に注目が集まりそうですが、11月23日にFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨(11月1、2日開催分)が公表されます。また、景気の先行きを占う意味で、11月23日発表の11月PMI速報値にも注目が集まりそうです。
SPDRゴールド・シェアの金保有残高
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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は11月18日時点で前週末比5.1トン減少の904.62トンで、再び減少に転じております。
世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比0.53トン減少の451.50トンと、12週連続で減少しております。
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