NY金(中心限月、日足)

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先週のNY金(中心限月)は、前週末比142.1ドル高の2712.2ドルで終了。4週ぶりに反発に転じております。

高値調整場面が続く中で11月14日に2541.5ドルまで下げるも、100日平均線がサポート・ラインとして意識された様で、終値では2550ドルを維持。反発に転じる中、11月18日から22日まで5営業日続伸中。ウクライナ情勢が再度緊迫化する中、「安全資産」として金を選好する動きが拡大。「トランプトレード」による株買いに一服感が出始める中、見直し買いも入っている様で、22日に50日平均線を上抜いて、一時2718.5ドルまで上昇するなど、11月7日以来の2700ドル台を回復しております。

ロシアの侵攻から1000日超と、戦闘が長期化する中、ウクライナ軍はロシア領内の攻撃に米国製の長距離地対地ミサイル「ATACMS」を初めて使用。それに対抗して、ロシアのプーチン大統領は核兵器の使用条件を示した核ドクトリン(核抑止力の国家政策指針)を改定。また、攻撃への対抗措置として新型の中距離弾道ミサイルを発射。ウクライナは大陸間弾道ミサイル(ICBM)も発射されたとしており、ウクライナ情勢の不透明感が一段と高まっております。

また、米国の「政治リスク」は後退しつつあるものの、トランプ氏の積極財政政策下で財政赤字が拡大するとの見方は根強い上に、第2次トランプ政権下ではイランへの制裁が強化されるとの見方や、イスラエル政府が強硬姿勢を強めるとの見方から、中東情勢が一段と悪化すると懸念も強まっております。

MACDがゴールデン・クロスとなる中、10月30日の高値2801.8ドルから11月14日の安値2541.5ドルの下げ幅をフィボナッチ・リトレースメントで見た場合の61.8%戻し水準2702.4ドルを上抜いただけに、2700ドルを維持しつつ、このまま全戻しとなる2801.8ドルを意識した動きが続くか注目されます。なお、今週は感謝祭に伴う休暇で市場参加者が少なくなりそうで、ボラティリティが大きくなることも予想されます。

今週はFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨(11月6、7日開催分)が公表されます。パウエルFRB議長の発言を受けて、市場の一部では利下げ停止観測も出ており、FRB内でタカ派が強まっているかどうか注目されそうです。

なお、CMEが公表している米金利先物の値動きからFOMCごとの政策金利を予想する「FedWatch(フェドウォッチ)」(11月22日時点)によると、12月のFOMCでFRBが0.25%の利下げを行うとの見方は52.7%。据え置きとの見方は47.3%となっており、据え置くとの見方が拡大しつつあります。

 

SPDRゴールド・シェアの金保有残高

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最後に、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の金保有残高は11月22日時点で前週末比8.04トン増の877.97トンと、4週ぶりに増加に転じました。

一方、世界第2位の金ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」は前週末比2.73トン増加の392.59トンと、2週連続で増加しております。

 

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